OxTと考える、2人とアニソンを取り囲む“壁”の正体 「業界自体を一度リブートした方がいい」

OxTと考える、2人とアニソンを取り囲む“壁”の正体 「業界自体を一度リブートした方がいい」

「自分から気張りすぎてもダメだと思う」(オーイシ)

――ここ最近のアニソン業界には「アイコン」的存在が不在だと思っています。ひと頃だとそれは水樹奈々さんで、少し前ならラブライブのμ’sでした。ですが、個人的には今はそうした存在が思い付きません。ただOxTはそこにかなり近い位置にいて、そうした位置を狙える実績も実力も兼ね揃えていると思っているのですが、どうでしょう。

オーイシ:僕たちはアイコンにはならないですよ。なる気もない。昔、北九州のイベントで水木一郎さんと一緒に食事させていただいたことがあって、その時にアニソンに対する熱い思いを、僕みたいな若造にたくさんお話ししてくれたんですよ。水木のアニキ曰く「アニソンがB級品扱いされてた時代に俺は高々と『ゼェット!』って言い続けたんだ。今、その歴史がこんな風に繋がってるって思うと、俺のやってたことは無駄じゃないって思うんだよね」って。それ聞いて本当に半泣きになっちゃって。

Tom-H@ck:めちゃくちゃ格好良い……。

オーイシ:本当に格好良いなと思って。この人の立てた表彰台みたいな場所に、自分が立てるわけないなって。こんなJ-POP崩れのアーティストが……。

――いやいやいや(笑)。

オーイシ:もっとアニソンのみを志してる人ってたくさんいると思うんですよ。そういう純アニソンシンガーの人たちが、アニソン然としてアイコンになるべきだと思いますし。それが水木さんだったり、水樹奈々さんだったり、キャラソンであるμ’sだったと思うんですけど。

Tom-H@ck:でもそういうものって意図せずして登ってるものだから。

オーイシ:確かにね。でもTomくんもそうかもしれないし僕もそうなんだけど、有名人扱いされても頭の中クエスチョンマークだらけで。この前洋服屋さんでお会計してたら、店員さんが「毎朝元気もらってます」って言うんですよ。それで僕「あなた今クレジットカード見て名前確認したでしょ。顔だけだったら絶対わからなかったでしょ」って言って。

一同:(笑)

オーイシ:そういう小ボケも挟みつつ、気持ちだけは持って帰りましたけど。僕たちは自分から気張りすぎてもダメだと思うんですよ。

――そういえば前回、OxTというユニットは「2人の作家の遊び場とか、階段で言うところの踊り場みたいなところ」っておっしゃってましたよね。

オーイシ:お互いがお互いをコントロールしようとし過ぎると、このユニットって上手くいかなくなると思うんですよ。「Tomくんさ、もう少しOxTでこういう風に進めていきたいからTomくんもこうしてくれない?」って言い始めたら終わると思う。そういうストレスがないところがOxTの良さなんです。軒先で話す感じというか。その気持ち良い距離感での会話が僕にとっては大事なことだったりするんです。情報を持ち寄って交換し合ったり。これは結成当初からずっとTomくんと話してるんですけど、「長く続けていきたいよね」というのが第一で。寄り添う夫婦みたいに干渉し過ぎないのが大事で、その絶妙な距離の取り方がこのユニットのひとつのルールみたいになってる。

Tom-H@ck:そのルール自体が、お互い心地いいんでしょうね。

オーイシ:そうだね。

Tom-H@ck:人間ってみんなに言わない辛いことってあるじゃないですか。そういうことも2人でなんとなく共有して、なんとなく2人で歩んでいて。人間ってどんなに凄い人でもいつか落ちるから。それでまた這い上がって、という繰り返しなので。そういう人生観みたいなものを2人でステージに立って、間接的にみなさんに伝えてるユニットなのかもしれない。人間とはなんぞやっていう。意外と哲学的なユニットなのかも。

――本当に夫婦みたいですね。

オーイシ:確かに伴侶感はありますね。今度9月に発売する1stアルバム『Hello New World』のリード曲が、2人を海賊に見立てて新しい世界を探しに黄金航路に乗ろう、僕たちなりの航海をして新大陸へ見つけ出そうみたいな歌詞なんですけど、曲作ったときは1隻の船に2人が乗り込んでるイメージだったんです。でも、今話しながら思ったのは、それぞれが別々に乗った2隻で向かってる気がして(笑)。しかもお互いの航路がちょっと違うっていう。でも新大陸を発見するときは2人で一緒なのね。

Tom-H@ck:そうかもね(笑)。

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