ミナーラ、ビバラポップ!……2018年GWに誕生した二つの新アイドルフェスを振り返る
アイドルフェスはまだまだ成長・発展の余地がある
アイドルフェスはポップスやロックのフェスと比べたら歴史も浅くお客さんのパイも少ない。今回二つのフェスに参加して、まだまだアイドルフェス文化は未熟だし、成長・発展の余地があるなと感じました。アイドルフェスは環境的に厳しい現場が多く、オタクは“フェスは過酷なもの”だと思い込んでいる節があるけれど、本当はそれではダメなんですよね。2010年の『TOKYO IDOL FESTIVAL』初開催から8年も経っていて、当時からのオタクも昔のようにフットワーク軽く走り回れないし、子連れで行きたいという人もなかにはいる。若い世代でこれから初めて参加するという人もいるでしょう。これまでアイドルフェスはラインナップ以外の方法で間口を広げるという意識が極端に低かったので、今後はその点も工夫していけば、まだまだアイドルフェスは文化として広がっていく可能性は大いにあるはずです。
ミナーラとビバラポップ!は対照的なフェスではありました。かたや地方で産声をあげた参加者が主体的に楽しむ簡素なフリーフェス。かたやシーンが飽和状態の関東で新たな形態を提示したおもてなし精神あふれる大型フェス。しかし、解散やメンバーの活動休止などネガティブな話題が相次ぐアイドルシーンにおいて、それぞれの誕生がひとつの希望を見出したことは間違いありません。そして、いずれのフェスも次回の開催を望む声が早くも上がっています。この二つのアイドルフェスの誕生をきっかけにシーン全体が活性化することを願います。
(構成=久蔵千恵)