『TOKYO IDOL FESTIVAL』インタビュー
『TIF』総合P 濵田俊也氏に訊く、マスメディアがアイドルフェスを手がける理由
世界最大級のアイドルフェスティバル『TOKYO IDOL FESTIVAL 2016』が、8月5日〜7日にお台場・青海周辺エリアにて開催される。7年目を迎える今年のキャッチコピーは「TOKYO IDOL FESTIVAL、新章開幕!」。掲げられたキャッチコピーの通り、今年は初の3日間開催となり、欅坂46やAKB48 Team 8、NGT48など初参加のアイドル、ももいろクローバーZから佐々木彩夏、チームしゃちほこなど、久しぶりに『TOKYO IDOL FESTIVAL』に帰ってくるアイドル、でんぱ組.incやSKE48といったこの数年出場しているアイドルを含めた総勢296組(8月1日時点)が出演する。ほかにも新ステージSHIP STAGEの新設や、VIPチケットの導入など、大きな変革を遂げる『TOKYO IDOL FESTIVAL』について、フェスを主催するプロジェクト『TOKYO IDOL PROJECT』総合プロデューサーの濵田俊也氏(株式会社フジテレビジョン)にインタビュー。アイドルファンはもちろんのこと、出演するアイドルにも読んで欲しいメッセージが詰まった内容となった。
「コンセプトは『出演するアイドル、才能を見つけていただきたい』」
——『TOKYO IDOL FESTIVAL』(以降、『TIF』)は、2010年に品川ステラボールをメインステージとして、その周辺に幾つかのステージを設営して開催。翌年からは、現在のお台場・青海周辺エリアに場所を移しています。今年で7回目を迎えるわけですが、改めて『TIF』のコンセプトを教えてください。
濵田俊也(以降、濵田):『TIF』は「アイドルの見本市」というコンセプトで始めたものです。2010年当時、アイドルブームはまだ来てはいなくて、フジテレビの番組から誕生したアイドリング!!!やその頃ようやく出始めてきたアイドルグループの有志が出てきてくれた、いわば細々と始めたフェスでした。その頃からコンセプトはいまも変わっていなくて、様々な方に、『TIF』に出演するアイドル、才能を見つけていただきたいというのが、規模が変わっても貫いているコンセプトです。
——『TIF』を目標に活動しているアイドルも数多くいます。
濵田:その点については思うところもあって、基本的には『TIF』を踏み台にしていただきたい。一旦の目標にして頂くのは全然いいですけど、『TIF』を踏み台として先のところにいって貰えばありがたいなと思っています。第1回目には、ももクロ(ももいろクローバーZ)、私立恵比寿中学も出ていました。何度も出ていただいているアイドルも、我々のフィールドを超えていろんなところで活躍されていますし、「TIFに出ることだけが目標」ではなく、出なくなっても結構ですので「頑張って先にいってください!」というのが、我々フェスの立場です。
——8月5日にはももクロの佐々木彩夏さんがソロで出演されますね。
濵田:それもまたきっと次のステップを踏むために「一回乗ってみよう」と思ってくださったことの表れだと思っています。
——コンセプトというところで、『TIF』は『FUJI ROCK FESTIVAL』を意識していると耳にしたことがありますが、実際はいかがでしょうか。
濵田:僕は具体的にどこかのロックフェスだけを意識したことはないです。ただもちろん、『FUJI ROCK FESTIVAL』や『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』も憧れで、そういった存在のようにもなりたい。ロックフェスにはロックだけじゃなくガールズポップやアイドルなど幅広く出演しているので、僕らもアイドルに限らず、憧れになるような人が出演するフェスに育てていきたいと思っています。それに近いのはロックバンドも出演する『@JAM』かもしれませんが、僕のアプローチはあくまで、アイドルが横にも縦にも広く深く出演することがベースとしてあった上での話です。
——話題にも挙がりましたが、9月に幕張メッセで開催する『@JAM×ナタリーEXPO』や7月頭に横浜赤レンガパークで開催した『アイドル横丁夏まつり!!』などのアイドルフェスについては意識されているのでしょうか。
濵田:『@JAM』や『アイドル横丁』、ほかにも『アイドル甲子園』などとは連絡を密に取っています。先日はSHOWROOMで放送した『@JAM』総合プロデューサーの橋元恵一さんとの対談があったり、フェス当日には『アイドル横丁』との企画「TOKYO GRAVURE IDOL FESTIVAL 2016」があったり。『TIF』は、規模や華やかさなど、マスメディアであるテレビ局ならではの部分はより重視しながら、幅広く一般の方にも十分受け入れられるものを意識してフェスの制作と運営にあたっています。一方、例えば、『@JAM』はZeppを運営するZeppライブが企画、制作に入っていたり、『横丁』はずっと培われてきている企画力など、それぞれに強みがあって、上手くすみ分けられているなと思っています。
——すみ分けられた中での『TIF』の役割は、アイドルの大きな受け皿として見本市を開き、メディアとして発信していくこと。
濵田:『TIF』は解き放たれていて、どんなアイドルでもいいと思えば受け入れさせて頂くし、企画が面白いと思えばどんなことでもやります。こことは絶対組まないというのは『TIF』は全くなくて。基本的には「アイドルシーンのことを考えて動いている」という思いが同じであればどんなところでもご一緒する考えです。
——昨年は新プロジェクト『TOKYO IDOL PROJECT(『TIP』)』を立ち上げられました。
濵田:『TIP』は2015年の3月に立ち上げ、フェスと毎月のライブ、サイト、放送と配信などを試行して進めていった総合的なプロジェクトです。アイドリング!!!の活動も終了し、フジテレビのアイドル事業は『TIP』のみになりましたが、1年半近くやってみて、『TIF』がフラグシップのアイドルコンテンツであるのは間違いなく、『TIF』の開催に向けて、イベントを作り、サイトを作っていく方が、アイドルファンの方々にとっては安心できて満足いくものになっていくのではないかと感じています。ですので、それぞれのコンテンツ作りも、より『TIF』を核にしたものを意識しています。僕らは『TIP』でいろんなアイドルにパフォーマンスしていただいて、お客様が来てという流れは、アイドルフェスとしての『TIF』をどんどん深く掘っているイメージなんです。