Block B、iKON、WINNERなどのメンバーも 韓国で盛り上がる“アイドルラッパー”のソロ活動
BANG YONG GUK(B.A.P)
デビュー前からアンダーグラウンドのクルーで活動していたのがB.A.PのリーダーBANG YONG GUKだ。中学生の時にヒップホップユニットCrispi CrunchのCRPが主催したソウルコネクションにJepp Blackman名義で参加し、ラッパーのMasloとBlackoutというデュオを組んでいたこともある。2010年にTSエンターテインメントにスカウトされ、2012年にB.A.Pとしてデビュー。その後事務所との訴訟騒動から決着するまでの活動空白期間にはsoundcloud等でソロトラックを発表しており、「AM4:44」には当時の心境が赤裸々に綴られている。
B.A.Pとしての活動時には重めダンスチューンからアイドルらしいポップな曲まで幅広くこなしているが、本来のトーンはアイドルラッパーの中でも特にダークで、ソロ活動とグループでのギャップが一番大きいかもしれない。2017年にリリースした「YAMAZAKI」は和楽器を取り入れたスローでdopeなトラックと日本語まじりのウィスキーを讃えるリリックにYONG GUKの低い声が陰鬱に絡みつき、タトゥーと血飛沫の飛び交うセクシーなMVも相まって、他のアイドルラッパーの追随を許さないアダルトで中毒性のある1曲となっている。グループの楽曲制作にも参加しており、SLEEPYやSecret等の事務所の先輩だけでなくVIXXやファン・チヨル等外部アーティストへの歌詞提供も行っている。
RAVI(VIXX)
MINOが準優勝した『SMTM4』にも参加、第2ラウンドで脱落するもその後も精力的に楽曲を発表しているRAVI。『SMTM3』でBOBBYがアイドルラッパーをdisした時もきっちりとアンサーソングを発表していた。HIPHOP界の人脈もあり、自身の作品にも複数人のラッパーが参加、Swingsも親しいアイドルの一人と言及している。グループのデビュー後から本格的にラッパーとして活動を始めたが、ミニアルバム『R.EAL1ZE』は商業作品としてリリースする等、ラッパーとして積極的に表舞台に出ていく向上心の高さが目立つ。VIXXではユニットのVIXX LRも含めて楽曲制作に参加しており、後輩のgugudanや他事務所のB.I.Gにも曲提供を行っている。
VERNON(SEVENTEEN)
アイドルラッパーが一般的に認知されるのに大きな役割を果たした『SMTM』だが、逆方向に認知されてしまったのがSEVENTEENのHIPHOPチーム所属のVERNONだ。『SMTM4』参加当時は17歳でデビューしてから1カ月足らずだった。当時は経験、スキル共に不足しており3回戦で脱落したが、当時所属事務所のPledisと親交が深く楽曲制作にも深く関わっているBRANDNEW MUSICがPDとして参加しており、2回戦で脱落しなかったのはジャッジに贔屓があったのではないかと他のラッパー達から名指しで指摘され、疑惑の目線を向けられることになった。しかし脱落後にリリースしたDok2プロデュースのソロトラック「LOTTO(feat.Don Mills)」では、当時の心境と思われる率直な歌詞と、スキル的にも内面的にも成長した姿を見ることができた。続けて発表した「Lizzie Velasquez」は実在のアクティビストをタイトルにし、J.Coleの原曲「January 28th」をなぞった彼の生い立ちと内面を反映した1曲となっている。今後の成長が楽しみな一人だ。