Block B、iKON、WINNERなどのメンバーも 韓国で盛り上がる“アイドルラッパー”のソロ活動

Mark(NCT)

School Rapper [8회]′차가운 시선, 괜찮아 누가 뭐래도′ 마크 (feat.슬기 of 레드벨벳) - ♬두고가(Drop) @Final 170331 EP.8

 HIPHOPブームに同調せず、あくまでもEDMメインのアイドルポップスを貫いていたSMエンターテインメントだが、2016年にリリースされたNCT Uのデビュー曲「the 7th Sense」は衝撃だった。それまでのSMドルの“ラッパーというよりラップパートの担当”を超え、明らかにHIPHOP的なセンスとフィールを感じるラッパーが現れたからだ。Markのラップパートはたった20秒足らずの尺ではあったが、インパクトは大きかった。翌年の2017年に韓国版高校生ラップ選手権とも言えるラップサバイバルプログラム『高等ラッパー』が始まり、高校3年生だったMarkも参加。SMエンタのアイドルという偏見に勝ち、最終的に決勝ラウンドまで進んだ。

 Markの特徴と言えば独特の反復のあるリリックとリズミカルでクリアなフロウ。ダンサーならではのリズム感の良さは番組内でも審査員から評価されていた。ダンスパフォーマンスに特に力を入れるSMエンタ独自のカラーを持ったラッパーとして、新しいスタイルを作り出す可能性を秘めていると言えるだろう。

 韓国のアイドルグループではラップパートの存在が不可欠ではある。その一方で、アイドルポップスのジャンルとしてのHIPHOPブームが落ち着いたことで、アイドルラッパー達にとってはアイデンティティとも言えるHIPHOP/ラップ、あるいは創作への意欲をぶつける場所としてのミックステープやソロ活動という流れが生まれ始めているのかもしれない。

 BIGBANGの成功以降、HIPHOPアイドルブームの流れから急速に増えた自作アイドルも、男性アイドルではすでに定着しつつある。TWICEやGOT7が所属するJYPからデビューしたばかりのStray Kidsなどは、デビュー前から楽曲制作に携わるメンバー内のヒップホップクルー作の曲をInstagramやsoundcloudで発表するなど、過去のJYP所属のグループとは明確に違うスタイルで注目されている。また、ダンスミュージックにおいてもtrapのようにHIPHOPをルーツに持つベースジャンルの流行もあり、スキルとリアリティのあるラッパーの存在が不可欠となりつつあるのが、今の韓国アイドルグループなのかもしれない。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
Twitter:@djutakata

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