V6 井ノ原快彦、『あさイチ』での8年間を振り返る「厳しいご意見のおかげで、3人の絆が深まった」

 またアナウンサーは一つの番組を何年もやり続けることがないため、有働アナは毎年「たぶん私、今年でサヨウナラします」と予想し、イノッチに伝えていたという。そのたびに「そうなんですか? でも、一緒にやりましょうよ」と言い続けて来たイノッチ。だが、一昨年ぐらいに「たぶん私来年で……。今度は本当だと思います。どうします? みなさん続けてくださいね」と有働アナから告げられ、イノッチは「じゃあ、僕やめます」と迷わず答えたのだとか。そして、ヤナギーもまた「俺もやめるよ!」って気持ちいいほどハッキリと言い切ったという。ヤナギーは「降りるときは三人一緒っていうのはね、始まったときからそういう気持ちだったからね」と8年前から抱いていた想いを語った。

 また番組が始まった当初は、「セットがNHKらしくない」や、どんなテーマを扱っても「そのネタはやらないで」などと言われ、世間からバッシングを受けて来た過去を明かす。だがイノッチは、「そういう厳しいご意見、本当ありがたいなと思った」と言い、「そのおかげで、3人の絆が深まったので、それでここまで来れた」とネガティブな意見も自分たちの糧になったことを振り返る。

 さらにイノッチは、8年間も同じメンバーでやって来た番組で、メインの3人が変わることに対して、視聴者が気持ちを切り替えるのは難しいのではないかと推測。さらにこの時期は、オリンピック、パラリンピックに続いて、朝ドラも終わってしまい、何かと〇〇ロスを抱えやすい気がすると口にした。そしてイノッチは、誰かが「有働アナ、イノッチ、ヤナギーロス」と口にするとみんながこぞって言い始めることを危惧し、「視聴者のみなさん、一緒に頑張りましょうよ」と呼びかける。

 続けて「ここでちょっとチャレンジしてみようよ。ロス……」と言いかけると、横からヤナギーが「そうだよ。ロスじゃなくてニューヨークって言ってみるんだよ、たまには」といつものダジャレを放り込んだ。コメントを遮られたイノッチは、バンッと勢いよく机を叩き、「いい加減にしろー! 最後の最後だから言わせてもらうぞー!」と笑いながら声を荒げたかと思ったら、画面に向かって指をさし「子供たちも一緒にチャレンジしてみよう! ロスじゃなくて、ニューヨークだ!」とおちゃらけ、「柳澤さん、俺は大好きだよー!」と声を弾ませる。そして番組の最後にコメントを求められたイノッチは、「みんな大好き! ありがとう! 4月からもシクヨロ!」と笑顔でゆるく締めくくった。

 番組放送中に届いたファックスの数は、2,800通以上。このファックスの数からも有働アナ、イノッチ、ヤナギーの3人がどれだけ視聴者に愛されていたのかがうかがえる。この日、多くの人たちに見守られながら、彼らはキャスターを卒業した。そして後継者となる華丸、大吉、近江アナウンサーにしっかりとバトンを受け渡し、『あさイチ』を引き継いだ。来週4月2日からは新しい『あさイチ』が始まる。私たち視聴者も気持ちを新たに、彼ら3人が大好きな人たちに引き継いだ『あさイチ』を楽しみたい。

(文=朝陽空)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト情報」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる