INNOSENT in FORMALが“和製Gorillaz”との期待を集める理由 両バンドの共通点から考察
この曲のアレンジを手掛けたのはササノマリイ。ボカロPのねこぼーろ名義で発表した「戯言スピーカー」は今をときめくDAOKOがカバーし、ぼくのりりっくのぼうよみや電波少女に楽曲提供を行うなど、次世代のJ-POPシーンを担う気鋭プロデューサーだ。繊細かつメロディアスな音作りには定評があり、これまではトラックメイカー的な活躍が目立っていたが、「One for you」がクローズアップされることになれば、今後はブライアン・イーノのように、ロックプロデューサーとしても引く手数多になるかもしれない。
期待が膨らむのは、INNOSENT in FORMALに対しても同様だ。これまでGorillazは、「架空のカートゥーン・バンド」というコンセプトを最大限に活かして、デザインやテクノロジーの分野でも革命を起こし、音楽面でもジャンルのクロスオーバーを重ねつつ、無数のコラボレーションを実現させてきた。そんな彼らと同じ道をめざすのか、あるいはまったく異なる方向性を提示してみせるのか。どんどん洗練を極めていくのか、はたまた規格外の暴れん坊になるのかーー今後どう転がってもおかしくない、無限のポテンシャルを「One for you」は感じさせる。まだ随所に青臭さも見受けられるが、それも含めて理想的なデビューシングルだと思う。
■小熊俊哉
1986年新潟県生まれ。ライター、編集者。洋楽誌『クロスビート』編集部を経て、現在は音楽サイト『Mikiki』に所属。編書に『Jazz The New Chapter』『クワイエット・コーナー 心を静める音楽集』『ポストロック・ディスク・ガイド』など。Twitter:@kitikuma3。
■商品情報
1st Single『One for you』
1月24日(水)リリース
価格:¥1,000(+税)
<収録曲>
1. One for you (リード曲)
2. Love me, Love me
3. One for you Remix
4. One for you Inst.
■ライブ情報
『make a fist』
1月15日(月) 代官山LOOP
『THEY LIVE 4』
1月18日(木) 新代田FEVER
『DEER Connection 〜INNOSENT in FORMAL 1st Single Release Bash!!〜』
1月28日(日) 渋谷UNDER DEER Lounge
『でらロックフェスティバル2018 @名古屋エリア複数会場』
2月3日(土)
『15th Anniversary Live「FLOW THE PARTY 2018』
2月22日(木)TSUTAYA O-EAST