ALが明かす、今この4人で音楽を鳴らす醍醐味 「違う人間が集まって小さな天国を作っている」

AL、4人で音楽を鳴らす醍醐味

 ALが1月17日に2ndアルバム『NOW PLAYING』をリリースする。

 2016年4月に1stアルバム『心の中の色紙』をリリースし、その後ツアーを回ったあとは、それぞれのソロ活動やサポート業が中心となっていた小山田壮平、長澤知之、藤原寛、後藤大樹の4人。しかし、昨年3月におよそ1年ぶりとなるライブを渋谷B.Y.Gで開催、11月には東阪でツアーも行った。『NOW PLAYING』には、そのライブで初披露された楽曲も収録される。

 今回のインタビューでは、『NOW PLAYING』の制作過程やそのテーマ、そしてメンバー一人ひとりにとってのALというバンドの位置付けについて、話を訊いた。(編集部)

「過去でも未来でもなく、“今”を意識した」(長澤)

ーー1stアルバム『心の中の色紙』をリリースしたのが2016年4月。そこから2年弱でこうして2ndアルバム『NOW PLAYING』が届けられたわけですけど、ALの4人はALだけをやってるわけではないですよね。本格的に今作のレコーディングに入るまでの流れを、まずはそれぞれ訊かせてください。長澤くんは2016年12月にミニアルバム『GIFT』、2017年4月にアンソロジー作品『Archives #1』と、ソロアーティストとしても精力的に活動してきたわけですけど。

長澤知之(以下、長澤):ツアーも含め、あれやったり、これやったり、ちょこまかいろいろやってましたね(笑)。その中でALの曲を書いたりもしつつ。

ーーソロの活動とバンドの活動、それぞれのリズムをだんだんつかんできた?

長澤:いや、どちらも一定したサイクルで動いているわけではないから、リズムみたいなものはないんですけど。相変わらず「思いついたものからやる」みたいな感じですね。

ーー自分の中から新しい曲のイメージが立ち上がってきたタイミングで、「これはソロで」「これはALで」みたい境目はわりとはっきりあるんですか?

長澤:ある時期まで「これはあまりにも個人的な曲だな」って思った曲をALでやるのには抵抗があったんですけど、最近は「個人的な曲だけど、これをALでやってみたらおもしろいかもな」って曲も、果敢に3人に投げることが増えてきましたね。

ーー投げてみたけど、結局それが戻ってくることもある?

長澤:あるんじゃないかな(苦笑)。

小山田壮平

ーー藤原くんは、銀杏BOYZのレコーディングやツアーで2017年は結構忙しかったんじゃないですか?

藤原寛(以下、藤原):そうですね。でも、自分としては、ALを休んでたような感覚はあんまりないんですよ。銀杏BOYZでの自分の役割はサポートですからね。やっぱり、それとは全然意識が違って。気がつけば最近あんまりこの4人で音楽やってなかったなっていうくらいで、ALのメンバーであるという意識はずっとありましたね。

ーー小山田くんは作品こそ出してはいないけれど、わりと頻繁に弾き語りのライブはやっていて、そこでは新曲も披露したりしてますよね。そういう意味では、さっきの長澤くんと同じような感覚?

小山田壮平(以下、小山田):えっと……。

ーーあ、違うんですね。

小山田:自分の場合、一人で作品を作ってるわけではないですからね。弾き語りのライブで新曲をやる時は、もうちょっとリラックスした感じというか。その場の勢いでバーっとやって、そこで忘れてくれみたいな(笑)。だから、俺も寛と同じように、ALをずっとやってるという感覚。いい曲ができた時は、「この曲をALでできたらいいな」って思いがいつもありますね。

ーー後藤くんは、途中まで藤原くんと一緒に銀杏BOYZのサポートをしてましたけど……。

後藤大樹(以下、後藤):そうですね、春頃までサポートをやってて。ちょうどそのあたりからALの新しい動きが具体的に決まっていったので、2017年はわりとくっきり春以降で区切られている感じですね。

AL / NOW PLAYING

ーー今作『NOW PLAYING』にもライブでは以前からやっていた曲がいくつか収録されてますが、4人体制になってすぐにスタジオに入って作った前作『心の中の色紙』とは、やはり作品に向かっていくスタンスが違ったんじゃないかと思うのですが。

小山田:前作はわりとゆったりした曲が多かったので、今回はもうちょっとリズムの速い曲を集めたいねという話はわりと最初の段階でしましたね。軽快で、流れるように聴けるようなアルバムにしたくて。

藤原:まだ曲が出揃ってない段階では、「ショートナイト」が軸になっていくんじゃないかって話してたんですよね。

ーー確かに、すごく疾走感のある曲ですよね。

藤原:それもありますけど、詞のイメージもみんなで共有していて。曲が増えていくにつれてそこは曖昧にはなっていったんですけど、ただ、あの曲がスタート地点だったっていうのは大きいような気がする。

長澤知之

長澤:あまりコンセプチュアルな作品だとは思われないかもしれないけれど、最初に音のコンセプトみたいなものはあって、それはうまくできたんじゃないかって思ってます。それは、巧く言葉にするのは難しいんだけど、『NOW PLAYING』っていうアルバムタイトルに込めたように、一言で言うとこれが「今、自分たちがやれること」なんですよね。まぁ、「どのバンドだってそうだろ」って思われるかもしれないけど、今、この4人が一斉に音を出した時の感覚っていうのを作品に封じ込めたかった。過去でも未来でもなく、「今」なんだっていうところはすごく意識しました。

小山田:前作『心の中の色紙』は今も大好きな作品なんだけど、敢えて言うなら、ちょっと重たかったかなっていうのがあって。

ーーそれはサウンド的に?

小山田:そう。前作にない今作の良さがあるとしたら、それは「軽やかさ」みたいところなのかな。

後藤:そうだね。自分としては、レコーディング中に「軽やか」であろうと意識して録ったというより、結果的にそうなったって感じだけど。そこが今回の作品のいいところだと思います。

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