『VS嵐』デジタルサイネージ展開は“体験型”広告の最新形? 国民性にマッチした仕組みがポイントに

『VS嵐』デジタルサイネージは“体験型”広告の最新型?

 駅やバス停、ショッピングモールなどで見かける機会も増えた、デジタルサイネージ広告。ユーザーに合わせた広告表示が可能であり、ポスターを貼り替える手間などがなく気軽に利用できるため、広く活用されている。海外では広告のみならずデジタルサイネージを使ったライブ中継も行われるなど、より一般的な存在となっている印象だ。

 国内に目を向けると、chayが登場したPANTENEの広告では、通行人に気づくと振り向いて100種類以上の映像や言葉で励ますといった取り組みに、セブンティーンアイスでは「Play!17」プロジェクトとして、Nissyと写真撮影やダンスができるサイバーベンダー(自動販売機)にデジタルサイネージが取り入れられてきた。

 そんな“体験型”広告の最新形とも言える取り組みが、渋谷キャストにて2017年12月28日から2018年1月3日までの期間限定で開催されている。これは2018年に『VS嵐』が放送10周年を迎え、1月3日に『VS嵐 2018新春豪華3時間SP』『嵐ツボ』(すべてフジテレビ系)がオンエアされることを記念したもので、嵐メンバーが5枚のデジタルサイネージに登場。来場者はメンバーと記念撮影も可能となっている。開催初日、実際に足を運んだところ渋谷キャストは多くの人で賑わっていた。冬休みに入っている人も多かったためか、ファン以外の通行人も足を止めて見入っている姿が見られた。

 この広告では5枚のデジタルサイネージに5人のメンバーが登場。5人全員と写真を撮る場合は少し離れた位置から手を振ると振り返してくれ、「会いに来てくれてありがとう」「さあさあ、どうぞこちらへ」と声をかけられる。真ん中に進むと「いつも見てくれてありがとう。1月3日、番組で会おうね」とメッセージが送られる。特定のメンバーと写真を撮る場合はパネルの前に立つと「こっちにおいでよ」といった言葉がかけられ、各メンバーに手招きされる、というファンにはたまらないものに。そして、メンバーが映ったスクリーンの前に進むと花束を手渡され、メンバーが「来てくれてありがとう」と声をかけてくれるのだ。

 こうした映像はどれもなめらかで、リアリティ抜群。メンバーがピースしたり歩く姿は非常に自然で、実際にメンバーもその場にいて一緒に写真を撮っているかのように感じる。さらに昼間と17時以降の夜間ではバージョンが異なるとあり、渋谷キャストには多くのファンが押し寄せていた。実際に体験したファンに話を聞くと、「普段コンサートでこんなに近くで見れることがないので嬉しかった」「すごくリアルだった。一緒に写真を撮れる機会がないので幸せ」と興奮した様子で語ってくれた。

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