嵐のメンバーはグループとどう向き合っている? アユハピツアードキュメンタリーで知る裏側
嵐が2016年11月から2017年1月にかけて行った5大ドームツアー『ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are You Happy?』の模様を収めたライブDVD/Blu-rayが、5月31日に発売された。
同作には東京ドーム公演の模様を収録。ファン待望の最新ツアー映像である。本ツアーが携えたアルバム『Are You Happy?』は、“嵐が思う今の嵐”がテーマ。それぞれのメンバーがプロデュースした楽曲も収録され、メンバー5人で作り上げたという印象の作品だった。本ツアーもまた、ソロやメンバープロデュース曲パートの演出を各メンバーが手がけており、ハッピーな空間を作り上げようとするメンバーたちの趣向が取り入れられていた。日本一多忙なアイドルといっても過言ではない、嵐のメンバーたちはどうグループと向き合い、コンサートを成功させたのか。『ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are You Happy?』通常盤に特典として付属しているドキュメンタリー映像「Documentaly Film〜アユハピ〜」では、その裏側を垣間見ることができた。
映像では、ツアー準備段階の模様から翌年2017年1月8日福岡ヤフオクドームで迎えたツアー最終日までのメンバーたちの姿を追っている。松本潤を筆頭に、それぞれがアイデアを出し合いながら選曲や衣装決めなどの打ち合わせに参加する風景や、ダンスレッスンに取り組む姿が映し出される中、そこに櫻井翔の姿はない。ちょうどこの時期、今年1月3日に放送されたスペシャルドラマ『君に捧げるエンブレム 』(フジテレビ系)の収録などで櫻井だけレッスンに参加できない日々が続いていたのだ。その他にも月曜レギュラーを務める『NEWS ZERO』(日本テレビ系)の収録、その他バラエティ番組への出演もある。多忙を極める嵐の中でももっとも忙しい櫻井の日常だ。映像で櫻井は終始「ヤバイ」「間に合わない」と口にし、練習に遅れが出ていること、5人で振り付けを合わせられないことへの焦りをにじませていた。
一方で、残りの4人のメンバーは、櫻井不在の間も協力しながらコンサート制作に励んでいた。カメラの前でおどける大野智、相葉雅紀、二宮和也も、初日が近づくにつれ集中モードに突入。嵐のコンサートでは、ソロパートのパフォーマンスに力が注がれる。本ツアーでいえば、大野ソロ曲「Bad boy」の複雑な足のステップによる激しいダンス、相葉ソロ曲「Amore」のヘッドスピン、二宮ソロ曲「また今日と同じ明日が来る」の感情を表現するコンテンポラリーダンスといった難易度の高い見どころが用意されていた。そういった個人練習に加え、全体のダンスレッスン。全員、様々な仕事の空き時間に映像を見ながら練習をしたり、メンバーが集まれば演出面の話をしたりと限られた時間で準備を進めていた。しかし、連日の過酷スケジュールにメンバーの顔にも疲労の色が濃く表れる。二宮はギターをつまびきながら練習の辛さを歌い、相葉も「湿布が何枚あっても足りない」とこぼす。まさに満身創痍だ。しかし、良いステージを作るための努力を怠ることはない。
途中には、雑誌の取材で久々に顔を合わせた櫻井と松本の2ショットも収められていた。松本は櫻井を労って肩をもむ。櫻井も「大変なんだよ、松本潤は」とコンサート制作全般に関わっている松本の苦労を讃えた。鏡の前で振りを合わせる二人の姿も微笑ましい。その後も刻一刻と初日公演が近づく。メンバー4人が練習を終えた後、入れ替わるように櫻井は一人スタジオへ。鏡に貼られたメンバー直筆の置き手紙を見て気合を入れ、ダンスやフォーメーションを叩き込んでいた。帰路につく頃には疲れ果てて車の中で就寝。しかし、その足元は自然とステップを踏んでいる。櫻井のプロ意識の高さがうかがえた。
ようやくメンバー全員が集合すると、リハーサルも佳境へ。前日、さらには当日まで入念なチェックを続けて迎えたツアー初日。公演を終えてバックステージに戻ったメンバーたちの表情は達成感に満ちていた。過酷な日々が報われた瞬間だ。