嵐 二宮和也はコンサートで輝きを増す 『Japonism』ツアーで見せた“アイドル”の姿

 嵐の通算15枚目となるニューアルバム『Are You Happy?』の発売まであと1カ月。1年ぶりの新作が待ち遠しいなか、同作に先がけ8月に発売された嵐のコンサートDVD&Blu-ray『ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism』を、遅まきながら鑑賞した。その映像を見ていちばんに感じたことは、「二宮和也はコンサートで輝きを増す」ということだった。

realsound-arashith_.jpg
(C)タナカケンイチ

 TVをメインに嵐の活動にふれている人々にとって、二宮といえば演技やバラエティで活躍している印象が強い。一方で二宮は、グループのなかで歌唱力にもっとも定評のある大野智に次ぐボーカルスキルがあるとの声も多い。実際、彼は少し高めでポップな声色の持ち主で、嵐の楽曲のなかでも歌声は常に存在感を放っている。映像でも「イン・ザ・ルーム」「GUTS」ほか、二宮の歌唱にスポットのあたる曲がいくつもあった。一番は二宮が歌ったパートを二番では大野が歌うというように、二宮と大野は歌割りでセットにされることも多いようだ。また、二宮はメンバー内でバク転ができるグループ(そのほかは大野・相葉)に属しているように、身体能力も高く、ダンスパフォーマンスでも観客を魅了することができる。

 『ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism』でも、二宮のスキルは存分に発揮されていた。メンバーソロの一番手を飾ったのは、二宮のソロ曲「MUSIC」(アルバム『Japonism』収録)。真っ白なステージ衣装に身を包み、手には白のステッキのような棒を持って登場。まるで妖精のような出で立ちで、華麗なタップダンスを披露した。ゲーム好きな二宮らしい8bitサウンドの同曲の雰囲気にあわせ、LEDの床にはダンス系のゲーム画面を模した映像が次々と流れていく。タップダンスをしながら、映像に映る光を次々と踏んでいく二宮。タップダンスと音ゲーを融合したような演出は、二宮の少年のような笑顔と見事にマッチしていた。

 また、パフォーマンス中に見せる笑顔に多くの人々が魅了される。これはもちろんメンバー全員に共通することでもあるが、5万5千人の観客を前にして常に満面の笑みを浮かべ、表情がいつも以上にキラキラと輝いているのである。移動式ステージでのパフォーマンスのときには常に観客ひとりひとりに目を向け、手を振り続ける。“アイドルの二宮和也”としての徹底した姿勢は演じているようではなく、あくまで自然体であるのが素晴らしい。「生まれつきのアイドル」とは、二宮のような存在のことを指すのではないか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる