生声録音、ネットサイン会、メンバーとバドミントン……アイドル特典会の最新傾向を探る

アイドル特典会の最新傾向は?

 最後にガリバー氏は、特典会は写真やサインなどの“モノ”として残す取り組みよりも、“体験”としてメンバーと時間を共有することに比重が動いていると分析した。

「AKB48とSKE48の大握手会の様な現場は、“アトラクション”が散りばめられた遊園地そのもの。CDの特典券は、握手や撮影だけではなく、メンバーが開いている出店で使うことができる。ヨーヨーすくいや輪投げなど、お祭りに遊びに来た時のように特典券を自由に使えて、特典券1枚で好きなメンバーとバドミントンの対戦をしたり、ストラックアウトやフリースローにチャレンジしている姿をメンバーに見守ってもらうことができる。長い間、握手会を中心にCDの売上を拡大してきたからこそ、48グループは別の違う形の“体験”を特典にする方向に舵を切っていると感じています。ファンとアイドルの交流の体系に、遊びながら時間を共有するということが加わり、今後もこのような楽しみ方が徐々に広まっていくのではないかと思います」

 アイドルを問わず、ライブ市場が活況な昨今、音楽シーン全体でアーティストとファンがともに“時間を共有する”機会が増えている。特にファンとの関わりが強いアイドルシーンでは、それが顕著に表れているのかもしれない。

(文=大和田茉椰)

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