『WORLD HAPPINESS』夢の島ラストをMETAFIVEが飾る “音楽のDNA”は次の世代へ

ワーハピ、夢の島ラストレポート

 東京・夢の島公園陸上競技場にて、2008年より毎年開催されてきた『WORLD HAPPINESS』が8月28日、同会場での最後の開催を迎えた。初年度よりキュレーターを務めてきた高橋幸宏へ各出演アーティストが感謝を告げ、METAFIVEが雨降りしきる中大トリを務め、有終の美を飾った。

 『WORLD HAPPINESS』は、東京で行われるフェスとして、都内在住者にとっては交通の便も良く、会場も広々とした景観に整備された芝生、樹木に囲まれた過ごしやすい空間だ。子供連れでの来場者も多く見受けられ、会場後方にあるキッズエリアには子供向けの映画や遊具に夢中になる子供たちの姿があった。

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 そんなゆったりとした空気が流れる会場に爽やかな歌声を響かせたのはオープニングアクトの柴田聡子。LEFT STAGEにて柴田は、「カープファンの子」「ニューポニーテール」「ゆべし先輩」などポップな曲調に鋭いシニカルさが光る楽曲を弾き語りで披露していった。CENTER STAGEの1番手を担うAFTER SCHOOL HANGOUTは、林立夫と沼澤尚によるドリーム・プロジェクト。バンドにフィーチャリングゲストとしてLeyona、高橋が加わるという豪華布陣だ。2曲目のThe Beatles「Lady Madonna」カバーでは、金髪のウィッグを被ったLEO今井が登場。ラストのTodd Rundgren「I Saw The Light」カバーでは、矢野顕子も加わりフェスの1組目とは思えない面々がステージにて演奏を繰り広げた。

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 その後、CENTER STAGEに再び登場した矢野は、ピアノの弾き語り演奏ではっぴいえんど「夏なんです」、自身の新アルバムの楽曲「そりゃムリだ」を披露。矢野は、「(幸宏と)一緒の舞台で歌うのはYMO以来だと思います」と語り、会場のファンを驚かせると「次に演奏するのは、アグネスチャンのために書いた曲です。初めて歌った時に『すごいね』って言ってくれたのが高橋幸宏でした」と代表曲「ひとつだけ」のイントロを弾き始めると、会場には自然と拍手が起こった。ステージに花と花瓶、牛乳を持ち登場したSeihoが、生け花を披露しながら繊細な電子音を展開すると、そのまま2人はYMO「Tong Poo」、「春咲小紅」を息のあったパフォーマンスで演奏し会場のファンを喜ばせた。

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 今年結成40周年を迎え、「活動休止の休止」を発表したムーンライダーズがステージに現れると、“休止の休止”を待ちわびていたファンから割れんばかりの歓声が沸いた。「Who’s Gonna Die First?」「Don't Trust Anyone Over 30」の2曲でライブの幕は開き、<Don't Trust Anyone over 60!>と自虐ともとれるお得意の歌詞変えでファンとの距離を近づけていく。鈴木慶一が「活動休止の休止スタート!」と叫び、METAFIVEよりゴンドウトモヒコをゲストに「ヴィデオ・ボーイ」、「スカーレットの誓い」を披露しファンによる大合唱が起こった。この日、65歳の誕生日であった鈴木に高橋が花束を持ってステージ袖から登場。そのまま高橋がコーラスに参加し「9月の海はクラゲの海」、「BEATITUDE」を披露。高橋は軽やかなドラム演奏を見せ、鈴木、白井良明の息のあった片足を上げながらのギター演奏で現役のパフォーマンスを見せつけた。

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 ブラジルのリオから帰ってきた直後の東京スカパラダイスオーケストラは、「Paradise Has No Border」「DOWN BEAT STOMP」で会場を躍らせ熱を上げていく。「いろんなところのフェスに出てるけど、東京はまた特別です! 東京気合入れて行こうぜ! 戦うように楽しんでくれよ!」と谷中敦が叫ぶと、その言葉に呼応するかのように会場もヒートアップしていった。「音楽の楽しさ、音楽に国境はないことをこの曲では伝えたい」と再び「Paradise Has No Border」を演奏し、ワールドクラスのパフォーマンスを披露した。

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 白馬の神輿に乗り会場後方から登場したのは、水曜日のカンパネラのコムアイ。「ラー」「シャクシャイン」「ウランちゃん」とアルバム『ジパング』からの楽曲を中心に披露し、ステージのスクリーンには会場に響く低音に合わせ、サイケデリックな映像が流れていた。LEFT STAGEを降り、客席近くでパフォーマンスするコムアイは、メインステージ下手に脚立を組み、その上で歌唱。そのまま代表曲「桃太郎」を披露すると、再び白馬の神輿に跨り会場後方に消えていった。

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