細野晴臣×坂本龍一のコラボレーションライブが映像化 稀代の音楽家が紡いだ「奇跡の一夜」とは?

 細野晴臣が2013年12月21日に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催した坂本龍一とのコラボレーションライブ「細野晴臣×坂本龍一」。高橋幸宏、伊藤ゴロー、青葉市子、小山田圭吾、U-zhaanといったゲストミュージシャンが出演し、細野と坂本がこれまでのキャリアのなかで発表してきた楽曲やカバーナンバーなどが演奏されたこの貴重なライブが、ついに映像化された。

 イエロー・マジック・オーケストラで活動を共にしてきた細野と坂本(そして高橋)。彼らが作りだしてきた音楽が後続のミュージシャンに与えた影響は計り知れない。アンビニエント、エレクトロニカ、テクノポップ、フュージョン、現代音楽などの要素を内包したきわめて前衛的・先鋭的な音楽を志向しながら、80年代以降、幅広いポピュラリティを獲得してきたYMO。その影響を公言しているミュージシャンたち――槇原敬之、宇多丸、山口一郎、中田ヤスタカから新垣隆まで――の名前を挙げるだけでも、彼らの凄さが実感してもらえるはずだ。
 
 コラボライブ「細野晴臣×坂本龍一」の最大の特徴は、シンセサイザーやプログラミング音源を使用しない、完全なアコースティック編成だったことだろう。ライブのオープニングは細野のアコースティックギター、坂本の生ピアノによる「恋は桃色」(’73年の細野のソロアルバム『HOSONO HOUSE』収録)。ふたりだけの演奏はこれが2度目ということで、細野は「一昨年の暮れにこういう感じでやりましたよね」「ふたりでやったのはそのときが初めてで。(坂本が)こんなピアノ上手いとは思わなかった」と穏やかな笑顔で話していたが、その洗練された演奏はまさに絶品。20世紀前半のアメリカンポップスを象徴する作曲家・アーヴィング・バーリンのカバー「The Song is Ended」、「僕にボサノヴァを歌わせた張本人」と紹介した伊藤ゴローを交えて披露された「Pra Machucar Meu Coracao」(スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルトの『ゲッツ/ジルベルト』収録)など豊かなルーツミュージックを感じさせる選曲も興味深い。

細野晴臣×坂本龍一 at EX THEATER ROPPONGI 2013.12.21 ダイジェスト

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