『橋の下世界音楽祭』主催者・TURTLE ISLANDが語る、海外と日本のフェスの違い

TURTLE ISLANDが語る、国内外フェスの違い

「自分らが求めてるものは単に大きさでは無い」(愛樹)

ーーグラストンベリーって世界でもかなり有名なフェスだよね。

竹舞:そうなんですよね。話があるまで知らなかった(笑)。

愛樹:でもタートルのメンバー半分ぐらい、はじめは自治区の厄年会とか区の掃除があるからグラストンベリー行けないって言ってたよね。厄年会は特に大事で、ヨーロッパなんか関係無いって(笑)。グラストンベリーのメインステージには、スティービー・ワンダーやローリングストーンズもかつて同じステージに立っていると言うのに。

ーーそもそもなぜグラストンベリーに出ることになったの?

根木:ポルトガル、ドイツ、オランダが先に決まってて、ついでにもう1カ所UKでブッキングできたらいいねって話をしていたときに、ジョージ(Gt)とSMASH U.Kが仲良くて、プロモーション映像をグラストンベリーに送ったら、メインステージのブッキングマネージャーの目に止まりそのまま出演が決まりました。

ーー2013年にはフジロックにも出てますよね。

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FUJIROCK
FUJIROCK
FUJIROCK

根木:スマッシュ(フジロック主催者)の人と知り合いで、それまでもプロモーションはしてたんですけど、タートルが『空空神々』というアルバムを出したタイミングでいよいよ声をかけてもらって、前夜祭とメインの2ステージでやらせてもらうことになりました。

ーーフジロックに出たときはどんな感じ?

愛樹:盛り上がんなかったですね(笑)。

竹舞:自分たちがね(笑)。

愛樹:ライブってそのイベントの主旨や呼ばれた経緯、自分たちの思いも含めていろいろなものが作用することでできるじゃないですか。フジロックがどうこうと言うより、デカイから凄いと言う事ではなくて、だから、やってる人の顔が見えたり、主旨が見えるローカルなフリーフェスティバルのような方が盛り上がったりしますよね。自分でも「不思議だなぁ」と思うけど。

ーーフジロックと海外のフェスとの違いはある? 例えばグラストンベリーとの違いとか。

愛樹:グラストンベリーは兎に角、規模がデカイですね。

根木:だってグラストンベリーはデコレーションでジャンボジェットが地面に刺さってたりするんですよ!

愛樹:もう凄すぎてワケわかんない(笑)。

根木:4階建ての建物が建ってて、そこの頂上に車が刺さってたりとか、本気でふざけてる。

竹舞:私たちはHELLステージっていう地獄ステージで。

根木:ライブ中ずーっと火が吹いてた(笑)。

ーーグラストンベリーは盛り上がった?

愛樹:グラストンベリーも2ステージだったんですよ。メインステージと、夜のHELLステージ。HELLステージは比較的その中でも小さいステージで、盛り上がりましたね(笑)。大きいステージが苦手なんですかね? 大きさだけでは燃える要素がないというか……。補足すると、実際なんでも大きいのって凄い!ってなりがちだけど、よくよく考えると例えば大きなステージとかって、実際音とかも遠くなるし、生の良さみたいなものは単純に物理的に半減しますよね。だから、きっと自分らが求めてるものは単に大きさでは無いんだなと感じました。人が沢山観にきてくれたらそれはもちろん盛り上がりはしますが。
で、話戻しますと、朝一番のトップバッターでのライブは何万人も入る会場で、そんなに満タンでないにしろ、それでも結構な人がいて。それがほとんどパンクスたち、それも年配のオールドパンクスみたいな人たちで、タートルアイランドのことを知ってるみたいで嬉しかったな。

ーー海外と日本のフェスの明確な違いみたいなのはある?

愛樹:例えばグラストンベリーみたいなフェスティバルって、ヨーロッパの人たちにとっては俺らが祭りでワクワクするのと同じ感覚だと思うんですけど、それを完全に日本に輸入するのは少し違和感があって。そもそも日本のものじゃないというか。楽しいんだけど、なんか無理矢理感があるというか。それが海外に行って元祖のFESとか観たらなんか自然で。日本で海外のものそのまま入れても一瞬は「わー!」ってなるけど、やっぱりなんか落ち着かないと言うか、背伸び感が……(笑)とは思いましたね。

ーーほかに海外フェスにはどんなものがあった?

愛樹:グラストンベリーのあとにオランダ、ポルトガル、ドイツに行ったんですけど、そっちのフェスの方がさらに凄くて。規模はグラストンベリーほどじゃないけど、いや、規模と言うか形態や思考が違う。都市型というか、街の中を丘の上、街、森林公園、みたいにエリアで分けてフェスをやるんです。ドイツのRudolstadtというフェスはベルリンの壁が崩壊してから20数年間やってるフェスで、街の人たちがつくってる。真面目な感じの人たち、パンクスみたいなアウトローっぽい人たちがみんな一緒にフェスのために働いてるんですよ。なかでも、キッズコーナーが面白かったです。海賊船みたいな「これ、どっから持ってきたんだ?」というものとか、でっかい釜の風呂とかがあったり。あと、一週間ぐらいやってるフェスの開催中に、建設途中の建物を子どもたちがのこぎりを持って作ってました。怪我をガンガンしながらも、自分たちで作る。そういう経験をさせていたのが面白かった。(参考URL:TFF Rudolstadt(ルドルシュタッド)

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ポルトガル
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ドイツ
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オランダ

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