TURTLE ISLANDインタビュー
『橋の下世界音楽祭』主催者・TURTLE ISLANDが語る、海外と日本のフェスの違い
新作アルバム『洒落頭』を2016年5月に発売したTURTLE ISLAND(タートルアイランド)。コンスタントに作品をリリースし続けるほか、2013年のフジロック、2014年のイギリス グラストンベリー・フェスティバルでメインステージを務めるなど、多数のフェス出演経験がある。各国のあらゆる楽器による民族音楽的アプローチを用いてレベルミュージックを体現する、日本でも珍しいスタイルのバンドだ。
一方で彼らは、フリーフェス『橋の下世界音楽祭』を5年間続けるイベント主催者としての顔を持つ。この音楽祭は、太陽光発電で出店店舗やステージの電源まで全ての電力を賄う、入場投げ銭式の祭りである。
今回、TURTLE ISLANDの中心人物である愛樹(謡方、テビョンソ)、別ユニットALKD0などでも共に活動する竹舞(太鼓、唄)、彼らの作品をリリースするレーベルmicroActionの根木龍一氏にインタビューを行い、海外と日本のフェスの違いや橋の下世界音楽祭、新作アルバムについての話を訊いた。(ISHIYA)
「成功と自由を音楽で祝う祭典に、国賓として参加」(愛樹)
ーータートルアイランドは橋の下世界音楽祭(以下、橋の下)を主催してるけど、ほかにはどんなフェスに出てきたの?
愛樹:大きいのだとフジロック以外にも、ライジングサンとか。あとは橋の下くらいの規模のフェスによく出てました。ヨーロッパツアーをしたときに出演したのも全部フェスでしたね。海外で珍しいところでは、アフリカのモロッコの国王が主催してる首都のラバトで開催しているMAWAZINEというフェスがあって成功と自由を音楽で祝う祭典に、一応国賓で行ったんですよ(笑)。知り合いの人が面白がって、モロッコのブッキングマネージャーにタートルのDVDを見せてプロモーションしたら、むこうのブッキングの人が気に入ってくれて。そのフェスは、モロッコ国王が年に1回首都のラバトで開催するサンクスギビング的なもので、フジロックのメイン級のステージが10カ所ぐらいあるんです。アフリカの北島三郎みたいな人も出てて、同じ日にエルトン・ジョンとサンタナとB・Bキングも出演してました(笑)(参考URL:FESTIVAL MAWAZINE)
根木:アンジェリーク・キジョーっていうアフリカの和田アキ子みたいな、オリンピックの開会式とかで歌ってる人もいてね。
愛樹:ホテルも10何階建てのレモン型の吹き抜けになってるホテルで、天井が全部ステンドグラスで「なんじゃこりゃ!」ってみんなで驚きました。
竹舞:モロッコの5つ星ホテル。
愛樹:2mぐらいあるカッコいい黒人が白いシャツ着てて、そこら中でインタビューやら記者会見やらやってる中、俺たちだけみんなリュック背負ってビーチサンダルで「あれ?」みたいな(笑)。俺たちだけフードコートから全然離れないし(笑)。
根木:太郎(竜巻太郎/タートルアイランドDr.)がそのホテルのエレベーターの中にドラムセット組んで、扉が開いたらドラムを叩くというのをやろうとしたら、当たり前だけど「本当に申し訳ございませんがやめてください」って止められたね(笑)。
愛樹:空港もVIPからノーチェックで出て、ベンツのバスに乗って、バスの前後をパトカーが護衛してくれるような環境でした。
ーー凄いね!
愛樹:あと、アフリカのフェスは、観客をステージに上げるノリなんですよ。4万人ぐらいいる中でステージに俺と根木ちゃんが上げられて、俺らも一応ノるんだけど、同じ曲で同じリズムを取ってみんなと同じことやってるのに、どう考えても俺たち2人だけなぜか違うんです。現地の人たちは、やっぱりみんなカッコいいんですよね。そこからそのままひとりずつジャンベの前に出されることになってきて、「ヤバイぞ!」って思ってたらついに「カモン」って呼ばれて、とっさに思いついたのがドリフのヒゲダンス。ヒゲダンスで4万人がドッと沸いて(笑)。それで帰り道に旧市街を通ったら、そこら中でヒゲダンスやってるくらい流行っちゃった(笑)。
ーーじゃあ、最初に行った海外フェスは?
竹舞:一番最初にタートルが行ったのは、スペインのバスクのフェス。
愛樹:バスクのガステッツァみたいな感じなんだけど、パンクスはもちろん、いろんな人がいましたね。(参考URL:BONBERENEA(ボンベレネア))
根木:バスク行ってモロッコ行って、中国~NY~中国~EU TOUR~台湾に行きましたね。
竹舞:中国はHANNGAI(fromモンゴル)がやってるHANNGAIフェス。そのあとヨーロッパのフェスツアーのときにグラストンベリーに出て。それが2年前の2014年ですね。