キスマイ横尾、SMAP、TOKIO、V6……ジャニーズ「料理男子」が増えている理由

 「水回りの横尾」。こんな異名を持つのがKis-My-Ft2の横尾渉だ。水回り、つまり料理上手が評判になり、そう呼ばれるようになった。ジャニーズ史上類を見ない、ユニークなネーミングと言っても過言ではない。

 最近では、それが個人の活動にもつながっている。『プレバト!!』(TBSテレビ系)などに出演し、母親が料理するのをそばで見て身につけたという腕前を如何なく発揮し、プロの料理人にも絶賛されているのを目にするようになった。

 その才能が広く知られるようになったきっかけは、グループの冠番組『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)の定番企画「料理対決」だった。

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(C)タナカケンイチ

 毎回各メンバーが、デートや職場などのさまざまなシチュエーションでの「カッコよさ」を一般女性視聴者の投票によるランキング形式で競い合うこの番組、横尾を含むユニット「舞祭組」のメンバーは、なかなか上位に食い込めなかった。そうしたなか、横尾が「仕事で疲れて帰ってきた彼女への夜食」などの料理対決でことごとく1位を獲得、“下剋上”を果たしたのである。

 そんなこともあって、いまでは立場も逆転し、料理対決では誰が横尾を倒すかが最大の見どころになっている。先日の6月6日放送回の料理対決でも、特別参加した俳優・斎藤工と最後どちらが1位か決定の瞬間が、番組のクライマックスになっていた。

 このようにジャニーズの番組で料理がメインになるようなことは、1980年代くらいまでなかったように思う。その流れを変えたのはやはり、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の「BISTRO SMAP」である。改めて考えると、歌とダンス、コントと並んで料理が番組の柱になるというのは画期的なことだった。

 「BISTRO SMAP」のメインは、料理のリクエストに応えゲストをもてなすことである。好みの料理はゲストの話をスムーズに引き出すうえでも重要だ。だがそれに加えて、料理するSMAPの姿も見どころになった。シェフのスタイルに身を包み、2チームに分かれて本格的な料理を手際よくつくるその姿には、歌番組やドラマなどとはまた違う表情を見ることのできる楽しさがある。

 こうして料理は、ジャニーズが「カッコよさ」を表現するレパートリーのひとつに加わった。『キスマイBUSAIKU!?』の料理対決もその流れを汲むものだ。

 また、嵐の松本潤が『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)の企画「THIS IS MJ」の「カッコいい男対決」での料理対決もそうだろう。この企画では、やはり料理の腕が評判のKAT-TUN・亀梨和也との料理対決もあった。さらにNEWSの加藤シゲアキも、週4日自炊する“自炊ジャニーズ”として、『白熱ライブ ビビット』(TBSテレビ系)などでその腕前やこだわりを披露している。

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