NEWSの勢いはどこまで加速する? 新番組『変ラボ』に見るタレントとしての力量

 そこで必要になるのが、出演者のキャラクターである。過酷な実験を進めるなかでふと覗く個性や素の部分の魅力が、現在のテレビには欠かせない。だが、そうしたキャラクターは、放っておけば自然に固まるものでもないだろう。一方で、それを番組がうまく引き出すことも必要になってくる。その分、企画や演出側の力量もより重要になる。

 実際、いま放送されているバラエティ番組では、スタッフによるさまざまなかたちでの出演者いじりが工夫されている。ナレーションやテロップを使ってのいじりもあれば、ロケに同行しているディレクターが直接いじることもある。同じジャニーズグループの番組で言えば、先日まで放送されていた『KAT-TUNの世界一タメになる旅』(TBSテレビ系)などが好例だ。

 その点は、『変ラボ』も抜かりがない。そう思わせてくれたのは、同じく初回に放送された「放課後研究室」のコーナーである。これは単発時代にはなかった企画であり、レギュラー化にあたってNEWSのキャラクターをいっそう際立たせようとするためのものである。

 この時の放送では、「NEWSには何が足りないのか? 」というテーマのもと、NEWSのイメージを一般人100人に街頭調査した結果をランキングで発表していた。「仲がいい」とか「かっこいい」といったポジティブな意見も多かったが、1位は「知らない」という対照的な結果に。そして個々のメンバーのイメージについても、小山がキャスター、加藤が作家、手越がバラエティと3人については出たが、増田については「わからない」という回答があった。

 一歩扱いを間違えれば空気が淀んでしまいかねない結果である。だが番組では、グループの知名度の問題にしても、増田のキャラの問題にしても、バカリズムの巧みなMCぶりもあってうまく笑いにつなげられていた。

 例えば、増田貴久は、「テゴマス」での活動や『水曜歌謡祭』への単独出演など、歌やダンスといったアイドル本来のパフォーマンスで評価されてきたメンバーである。それがこの調査ではバラエティ的なキャラの薄さという結果にもなったわけだが、それを隠すことなくほどよい「毒」のあるいじりによって、逆に増田貴久という存在を印象づけることに成功していた。そこには、『世界の果てまでイッテQ!』や『嵐にしやがれ』のスタッフでもある企画・演出の前川瞳美の優れた手腕が感じられた。

 もちろん、そうしたいじりが成立するのも、受け止める側のNEWSにタレントとしての確かな力量があるからだ。

 以前、この連載でも書いたが、NEWSは知性とアイドル性を兼ね備えたグループである。小山や加藤のようにキャスター業や作家業をこなすメンバーがいて、同時に増田や手越のようにアイドル性の高いメンバーがいる。このイメージ調査の結果を見たときも、小山などが冷静な大人の対応を見せる一方で、増田は素直な少年のようなリアクションであった。両者は対照的ではある。だがどちらも、ただ反発するのではなく、結果を受け入れたうえでそれぞれのらしさが伝わる表現方法で返していた。

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