藤井 風、あいみょん、timelesz、千葉雄喜、女王蜂、GENERATIONS……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は藤井 風「真っ白」、あいみょん「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」、timelesz「Rock this Party」、千葉雄喜「BANK」、女王蜂「08」、GENERATIONS「気づいたことは」の6作品をピックアップした。(編集部)

藤井 風「真っ白」

 コカ・コーラ「い・ろ・は・す」の新CMに使用されている「真っ白」は、アコースティックギターの響きと鼻歌のようなメロディラインからはじまる。聴く者の心をナチュラルに開かせた直後、オーガニックな手触りのバンドサウンドが加わり、ゆったりと身体を揺らしたくなるグルーヴが広がっていく。これみよがしなフックや仕掛けではなく、まるでずっと前から近くにいたような親近感。その肌触りの良さこそが「真っ白」の魅力だろう。移ろいゆく時の流れ、そのなかで無常を続ける二人の関係を描いた歌詞も印象的。時間の残酷さと美しさ、儚さと楽しさがリリカルに映し出されるこの歌は、あらゆる人にとって“自分事”として浸透するはずだ。(森)

【い・ろ・は・す】 藤井 風 「きっとあしたも、いい感じ」篇 Behind The Scenes

あいみょん「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」

あいみょん「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」

 新曲「スケッチ」は『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』主題歌としての書き下ろしだが、カップリング曲となるこちらは同作品の挿入歌。まず、タイトルがいい。のび太の毎度ヘンテコな話を聞きながら、四次元ポケットをごにょごにょ探すドラえもんが浮かぶようだ。〈変身ビスケット〉や〈あべこべ〉などひみつ道具にまつわる単語も飛び出してくるし、軽やかなサビが〈伸びた影を追いかけて〉というのも、その手があったか! と膝を打つ。世界観に寄せたタイアップ楽曲というより、あいみょんが『ドラえもん』に捧げた全力のラブソングといった趣で、書いている時は最高に楽しかったのだろうと想像できる。そのムードも込みでウキウキする一曲。(石井)

timelesz「Rock this Party」

timelesz「Rock this Party」

 timeleszの新メンバー募集オーディション『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)を経て、加入した5人を迎えた8人体制での一発目がこちらとなる。新しい一歩に相応しい明るさ、爽やかさ、ちょっとした壮大さも併せ持つポップスは、Official髭男dismやBE:FIRSTらのライブサポートでも活躍する音楽家のRyo‘LEFTY’Miyataを筆頭とするクリエイターチームによるもの。また作詞は菊池風磨・佐藤勝利・松島聡のオリジナルメンバーがすべて担当。専門家に任せることもできたはずだが、自分たちでメロディを噛みしめ、笑顔をパスし合い、〈胸張ってたいね〉〈I wanna timeless party〉と歌う姿にはちょっと胸が熱くなる。ボーイズグループの第二期の見せ方として、これはいい成功例になるか。(石井)

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