ピロスエの徹底リサーチ
16年目の「LOVEマシーン」別バージョン・カバー図鑑――モー娘。の代表曲はどう歌われてきた?
ギルドは、2009年より活動中のロックバンド。所属事務所はユークリッド・エージェンシーで、ゴールデンボンバーは事務所の先輩にあたる。2015年はカバー曲主体での活動を行うこととなり、元旦リリースのシングルでLOVEマシーンをカバー。オリコン週間チャート初登場3位を記録した。スピード感あふれるロックサウンドと、有名人(のそっくりさん)が多数出演のミュージックビデオが印象的。
同年7月リリースのミニアルバム『夏祭り』にはLOVEマシーンは未収録だが、JITTERIN'JINN(またはWhiteberry)「夏祭り」、T.M.Revolution「HOT LIMIT」、松浦亜弥「Yeah! めっちゃホリディ」の3曲がカバー収録されている。
以上18タイトル、LOVEマシーンを触媒とし様々な音楽ジャンルが展開しているさま、そしてLOVEマシーンがスタンダード・ナンバーとして定着していくさまが見て取れたことと思う。今後もどんな趣向のカバーが誕生するのか、楽しみである。
カバー・バージョン(映像編)
それでは最後に、ハロプロ外アーティストによるライブでのカバーについて簡単に触れて記事を終えよう。レコーディングまでは行かなくても、コンサートの一コーナーなどでLOVEマシーンをカバーしているようなケースはおそらく多数にのぼると思われる。ここでは有名な3つの例を挙げる。
まずはサザンオールスターズの桑田佳祐によるカバー。毎年恒例のチャリティーライブ「Act Against AIDS」、2000年にパシフィコ横浜で行われた回では「桑田佳祐が選ぶ20世紀ベストソング」と題し、洋邦問わず古今東西の名曲28曲を熱唱。LOVEマシーンはアンコール前の本編最後に披露された。このライブは当時CSなどでテレビ放送されたものの、DVD等のソフト化はされていない。
続いて挙げたいのは織田裕二。俳優のみならず歌手としても活動している織田だが、2003年のコンサートツアー「COLORS」では、中盤のカバーソングコーナーでLOVEマシーンを披露。元ネタ曲のひとつであるバナナラマ「ヴィーナス」からのメドレーで続けて歌うという遊びを見せた。このライブは『YUJI ODA CONCERT FILM 2003“COLORS”/2001“今、ここに僕はいる”“U-kai”』(ユニバーサル)のタイトルでDVDソフト化されている。
そして近年で有名なライブカバーといえばBABYMETALだろう。2013年6月30日、NHKホールでの「LEGEND "1999" YUIMETAL & MOAMETAL 聖誕祭」にて、「ちょこっとLOVE」「LOVEマシーン」の2曲がヘヴィメタルアレンジで歌われた。このライブ映像はBlu-ray/DVD『LIVE~LEGEND 1999&1997 APOCALYPSE』(BMD FOX RECORDS)に収録されている。
■ピロスエ
編集およびライター業。企画・編集・選盤した書籍「アイドル楽曲ディスクガイド」(アスペクト)発売中。ファンイベント「ハロプロ楽曲大賞」「アイドル楽曲大賞」も主催。
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