17歳のアメリカ在住ボカロP=Orangestarが、“夏の楽曲”でリスナーを魅了し続ける理由

150501_orangestar_a.jpg

 

 2013年の動画初投稿以来、順調に評価を伸ばし、昨年「イヤホンと蝉時雨」「アスノヨゾラ哨戒斑」「雨き声残響」と立て続けにヒットチューンを出した、ボーカロイドクリエーター・Orangestar。彼が4月22日にメジャー1stアルバム『未完成エイトビーツ』をリリースした。

 Orangestarが「アメリカ在住の17歳」であることはファンにはよく知られているが、数年前までは日本で活動していたという。そんなこともあり、これまで公開してきた動画のうち、約半数以上は日本の夏を題材にしたもので、叙情的なメロディと憂いのある歌詞が特徴だ。また、彼のヒット作である「イヤホンと蝉時雨」「アスノヨゾラ哨戒斑」「雨き声残響」はいずれも夏をテーマにした切ない楽曲であり、リスナーからも同路線が支持されていることが伺える。

 この世界観には彼の好きなアニメやミュージシャンなどの世界観が通ずるのかもしれないが、日常の風景というよりは、非日常への憧憬を描くことが多く、それはアルバム内に新録された4曲からも伝わってくる。Orangestarは一体なぜ夏にこだわり、叙情的な歌詞や曲でファンを魅了し続けるのか。今回メールインタビューを実施し、本人に話を訊いた。

――まずは音楽を始めたきっかけから教えてください。

Orangestar:小学生のころ、父の勧めでピアノを習い始めました。ピアノは中学卒業と同時に辞めて、それからDTMを始めて。リスナーとしてはロック系の音楽を聴くことが多かったですね。ちなみにアメリカに住んでいるのは、主に英語を学ぶためです。

――それでは、2013年にニコニコ動画に投稿されたきっかけとは?

Orangestar:最初は本当に趣味というか、遊び感覚で投稿を始めました。当時、ボーカロイドは40mP(https://www.nicovideo.jp/mylist/7975931)さんやDECO*27(https://www.nicovideo.jp/mylist/9850666)さんの曲が好きでよく聴いていましたね。「(自分の動画も)誰か見てくれたらいいなあ」くらいの気持ちでした。

――そのほか、Orangestarさんが好きな、あるいは尊敬されているミュージシャン/クリエイターを教えてください。

Orangestar:supercellとRADWIMPSです。メッセージ性の強い歌詞に惹かれますね。

――「イヤホンと蝉時雨」(2014年7月)、「アスノヨゾラ哨戒班」(2014年8月)、「雨き声残響」(2014年10月)が投稿後に大きな反響を呼びましたが、今、客観的に捉えるとすればどのような要因がヒットにつながったと考えられるでしょうか?

Orangestar:単純に、Twitterを始めたことで、知り合い以外にも宣伝・共有がしやすくなったというのが、まずひとつあると思います。あとは、タイミングがよかったんでしょうね。特に「イヤホンと蝉時雨」は夏に投稿したから、多くの人に聴いてもらえた、というのは間違いないと思います。

――多くのボカロクリエイターが使っている初音ミクや鏡音リン・レン、Megpoid(GUMI)などではなく、シンガーソングライター・Liaの声から作られた「IA」を中心的に使っているのはなぜでしょうか?

Orangestar:最初に買ったのがIAだったので単純に使い慣れているのと、声に透明感があるところ、感情を込めやすいところなどが特に気に入っています。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる