KISSが日本の音楽に与えた影響とは? 市川哲史が「ももクロ vs KISS公演」を振り返る(KISS目線ver)

 3月3日KISS@東京ドーム公演。実数ざっと2万人超、かなぁ。サイリウムの灯りで確認するに、アリーナ席の20%+スタンド席の70%近くがモノノフのようだ。“夢の浮世に咲いてみな”と“ロックンロール・オールナイト”のわずか2曲、およそ10分間のももクロ特別参戦である。やや安価のスタンド席にモノノフ密度が偏ったとて、誰が責められよう。キミタチサイコダヨ。

 KISSが初来日した1977年当時、ジーン・シモンズの奇行が一部で話題になった。2週間の日本滞在中、関係を持ったピーちゃんや一般女子のアソコを必ず写真に撮り、アルバムに貼ってコレクションしてたらしい。<セックス・ショーバイ・ロックンロール>もしくは<地獄の狂獣>キャラに忠実すぎて、もはや清々しさすら覚えたものだ。

 そんなかつての性獣ジーンも65歳、ポール・スタンレーが63歳の還暦超えとはいえ、日本一童顔のももクロとコラボしている図は、児童ポルノ紙一重ではないのか。

 74年発表の2ndアルバム『地獄のさけび』収録の「ゴーイン・ブラインド」で、16歳の少女に「恋は盲目」になる主人公の男は93歳だったぞ。といった奴らの昔を知る者の危惧はどこへやら、国もジャンルも性別も世代も超えた両者の合体は、いたってちゃんとしていた。

 後期KISS的なメタル・グランジ歌謡「夢の浮世に咲いてみな」とそのPVなんて、予想以上によくできたクールジャパン印の商品だったのだから。

 さすが「飛び道具」つながり、のKISSとももクロならでは、か。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる