ニューロティカあっちゃん、メイク下の素顔とは? ドキュメンタリー映画が描く、愛と笑いのバンド人生

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 そんなあっちゃんの人間性を慕う人間は多く、バンドが様々な問題を抱えているときでも必ず仲間が側に寄り添い、ニューロティカは活動を続けてきた。「仲の悪い2バンドがあったとしたら、その間にあっちゃんがいて、結局その3バンドでライブをやってしまったりする不思議な人」と、記者会見でナボが語ったエピソードは、一度でも関わった人間を惹き付けてしまうあっちゃんの魅力をよく表しているといえよう。

 もちろん、映画ではニューロティカの音楽性についても触れている。2000年5月にアルバム『絶体絶命のピンチ!! 』を発売したTV-FREAK RECORDの代表であり、POTSHOTの中心人物であるRYOJIが「元祖メロコア、速いメロディアスなパンクっていうのは、実はニューロティカが日本でもうやっていたんだというのを、みんなに伝えたかった」というように、その音楽の新鮮さに惹かれた人間は当然のように多い。本作品の中でも、カタルが手がけたニューロティカの楽曲の映画音楽バージョンが使われていて、鑑賞中に「おっ! これニューロティカだ!」と気付かされることもしばしば。様々なアーティストにより作られた今回の作品のための楽曲などもあり、作品中に使用されている音楽もこの映画の楽しみのひとつとなっている。

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 完成記者会見でナリオ監督は「ニューロティカの映画ではなく、あっちゃんという1人の人間の映画であるため、あっちゃんの人となりや誰からも愛されるキャラクターをクローズアップして追っていった」と語り、同じく記者会見でナボは「スーパーマンがピンチの時には新聞記者から変身して助けに行く姿が、あっちゃんにオーバーラップして、映画を通してあっちゃんを世の人に広めたいという気持ちがすごくあった」と語った。どこにでもいるお菓子屋のおっちゃんが、実はすごい人間なんだ、という驚きと感動が、映画全編を通して本当に良く伝わってくる。

 出演する各著名人のあっちゃんに対するコメントでは「正にそれ!」と手を打つものや、爆笑しながらも唸らせるものもあり、あっちゃんという人間が誰に対しても等身大の自分自身で、誠実に向き合っていることがわかる。作中で綾小路翔(氣志團)が話すあっちゃんに対するコメントは、とくに印象深くそれもまた重要な見どころのひとつである。ニューロティカやあっちゃんを知る人も知らない人も、いや、どんな人であろうともこの映画を観れば、この言葉の説得力というものが理解できるはずだ。

 今までメンバーにも彼女にも、誰にも話したことの無いあっちゃんの心の奥底に秘められていた思いを、初めて明かしたドキュメンタリー映画『あっちゃん』。公開初日の4月18日(土)東京渋谷HUMAXシネマでは、メンバーによる舞台挨拶もあるので、是非映画館の大きなスクリーンであっちゃんという人間を感じてほしい。

映画『あっちゃん』オフィシャルサイト

参考:ニューロティカ・あっちゃんが語る、バンド活動30年「文化祭の延長みたいな感じでやってきた」

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。
FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

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