宇野維正のライブオーディション『HARE NOVA』レポート
『HARE NOVA Vol.06』ライブレポート「重要なのは誰の真似もしていないこと」
Cö shu Nie
ロック度の濃いアクトが3組続いた後にステージに上がったのは、ボーカル/キーボード/ギターの中村未来を中心にフリーフォームなポップスを奏でる3人組バンド、Cö shu Nie。アヴァンギャルドなロックサウンドからドリーミーなポップチューンまで、曲ごとに目まぐるしく表情を変えていくレンジの広いソングライティングとアレンジ。リズムのプログラミングも手がけているという中村未来の声は、個性的なだけでなく非常にテクニカルで、そんなバリエーション豊かな楽曲の数々を完璧に歌いこなしていた。
■ゲストウォッチャーコメント
小原田裕樹「音楽だけでも独特の世界観が伝わってきますが、もっと作り込んだ自分たちだけの空間でライブをやったらさらにすごいだろうなって想像してしまいました」
原田公一「チルウェイヴっぽい2曲目の“海へ”がすごく良かったです。曲によってガラリと雰囲気が変わりますが、2曲目のような世界を追求していくとバンドのカラーがより鮮明に出てくるんじゃないかな」
さよならミオちゃん
結成から間もないバンドが多かった今回のHARE NOVA出演者の中でも2014年9月に結成と、ダントツで活動歴が短い札幌出身のさよならミオちゃん。黄色、ピンク、水色、赤色、緑の戦隊カラーに各メンバーが身を包んでいるというコンセプト。パーティーロック的狂騒が楽しいエンターテイメント性の高いパフォーマンス。いずれもまさに「今」ならではのジャストな表現方法ではあるものの、楽曲の構成力や各楽器のフレーズのセンスなど、随所に非凡なセンスが光っていた。
■ゲストウォッチャーコメント
タカハシヒョウリ「少なくとも今の段階では、大人がどうこう言うようなバンドじゃなくて、キッズがどう思うかがすべてのバンドだと思いました」
原田公一「こういう盆踊り的なバンドは最近フェスを中心に流行ってますけど、それを16ビートでずっとやっているのがおもしろかった。あとは、ボーカルの発声方法をもうちょっと練習して、ちゃんと歌詞やMCが聴き取れるようにした方がいいと思います」