全日本プロレスからアメリカWWEまで……プロレステーマソングの歴代名曲まとめ

90年代以降のプロレステーマソング

 90年代に入ると作曲者が絞られ、鈴木修氏や北村陽之介氏などがほとんどの入場曲を手がけており、イメージの統一性が出て来た。

橋本真也「爆勝宣言」作曲:鈴木修

 

 イントロ部分は新日本プロレスの福岡ドーム大会のテーマソングを使用。近年のプロレス入場曲の中でも最高との呼び声が高い曲。

武藤敬司「HOLD OUT」作曲:鈴木修

 

 武藤と言えばこの曲。一番長い間使われていた事もあり、この曲のイメージが大きい。他にもビッグマッチで使用される事の多い「TRIUMPH」という曲も鈴木修氏の作曲。

 

 鈴木修氏は他にもプロレスリングNOAHや全日本プロレスにも楽曲を提供している。

 北村氏は新日本プロレスのオカダカズチカ選手の「RAIN MAKER」の作曲者として有名になり、近年新日本のレスラーのテーマソングも数多く手がけている。北村氏は他にもデイビーボーイ・スミスJr.や邪道・外道のテーマソングも手がけている。

オカダ・カズチカ「RAIN MAKER」作曲:北村陽之介

 

 インディー団体やフリーのレスラーになると、インディーズバンドの曲が使われる事もあり、PRIDEやUWFインターに所属していた松井大二郎選手は日本のスキンヘッズバンド桜花やグルーサムの曲や、日本のハードコアバンドOUTOの曲なども使用している。

大日本プロレス 葛西純「デビル」演奏:COCOBAT(原曲GASTUNK)

 

 デスマッチを行う大日本プロレスを主戦場とする葛西純選手もインディーズバンドCOCOBATの曲を使用している所を見ると、フリーランスのレスラーの選曲は自由度が高いようだ。

アメリカWWEのテーマソング

 アメリカ最大のプロレス団体WWEになると、選曲も日本とは変わってくる。HIP HOPやラウド系の音楽など多種多様な楽曲は、各レスラーのイメージ作りのために趣向を凝らすWWEならでは。WWEを観ていて誰の曲なのか調べるという音楽ファンもいるだろう。ペイパービューなどの有料放送の大会では、メタリカやオジーオズボーン、ロブゾンビ、ガンズアンドローゼス、AC/DCなど有名アーティストの楽曲も使用される。

 代表的な曲として、WWEナンバーワンの悪役トリプルHのテーマソングであり、モーターヘッドが演奏する「THE GAME」がある。

 

 モーターヘッドのアルバムにも入っていない同曲。WWE最大の大会であるレッスルマニアの17回目で、モーターヘッドが演奏する中、トリプルHが入場する様は圧巻だ。

2001年PPV大会INVASIONテーマソング

マリリン・マンソン「THE FIGHT SONG」

 

 他のレスラーの曲にも優れた楽曲が多いが、ペイパービューなどの大会で使用されるテーマソングも素晴らしい。

2001年PPV大会レッスルマニア17テーマソング

リンプ・ビスキット「MY WAY」

 

 2012年PPV大会レッスルマニア28ではHIP HOPのFlo Ridaが演奏している。

 

 このように日米問わず、プロレスに音楽は必要不可欠であり、観客のイメージを膨らませるために重要な役割を担っている。

 WWEのモーターヘッドやFlo Ridaのように生演奏があると、エンターテイメントとして観客を盛り上げるのに一役も二役も買う事になるだろう。

 初代タイガーマスクのデビュー戦の蔵前国技館で日本のロックバンド外道が生演奏したように、現在の日本のプロレス大会でも生演奏を導入すれば、さらにエキサイティングな興行となるのではないだろうか。

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。
FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

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