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Herb Ellis

(ハーブ・エリス)

「ダバダー、ダバダーダ、ダバダー、ダバダー♪」——もし、ネッスル・コーヒーのCMに彼が登場していたらメチャはまり役にちがいない。端整な顔立ちに綺麗な白髪、歴史を感じさせるシワ、どんなことが起こっても動じなさそうなその物腰……。すごいアーティスト・チックじゃありません? そして、ブルース/カントリー・テイストのギター・スタイルを守りつづけた一本気なその姿勢……。キマリだと思うんですけど。———ただ、革新性がもてはやされる世の中にあって(ジャズも同様)、保守的にうつる彼の評価はチト地味であった。
持ち味は職人的で確実なテクニックと、テンポに流されない一音ずつ確かめるようなドライブ感。聴いていてとても安心感がある。そんな彼の最も印象にのこる演奏が、50年代のオスカー・ピーターソン(p)/レイ・ブラウン(b)との“黄金トリオ”によるものだ。『シェイクスピア・フェスティバルのオスカー・ピーターソン』(56年)をはじめ、ジャズの歴史のなかで輝かしい名演を多数残している。ここでの彼は、派手な主役の横で深い味わいをみせる脇役——小林稔侍のようだ。また、同じ白人職人ギタリストであるジョー・パスとのデュオも見逃せない(72年の『ジャズ・コンコード』など)。都会的で暴走するギターに疲れた人は、この素朴で心地よいプレイに触れてみてはいかが。

制作協力:
OKMusic

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