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Beachwood Sparks

(ビーチウッド・スパークス)

もし、ビーチウッド・スパークスを60年代のバンドと偽って聴かせても、誰ひとり疑う者はいないだろう。
まるでフラワー・ムーヴメントの時代にタイム・スリップしたかのようなルックスとサウンドは、時代が一巡して元に戻るという説を図らずも証明しているようだ。ザ・ビーチ・ボーイズ/バッファロー・スプリングフィールド/フライング・ブリトウ・ブラザーズの影響を隠すことなく、嬉々としてサウンドに投影してしまうあたりは、さすが現代っ子。オルタナティヴ・ムーヴメントが終焉を迎えた今、西海岸出身ながら、かつてのグランジ・ロッカーの巣窟<サブ・ポップ>レーベルからデビューするというのは、何かの皮肉なのだろうか?
00年にリリースした『ビーチウッド・スパークス』は、表面部分だけに触れてみれば、ノスタルジックな音に聴こえるかもしれない。しかしメンバーが、リリーズやファーザーという90年代インディ・ロック・シーンを賑わせたバンドに在籍していた事実。12弦ギターやペダル・スティールを導入しても、カントリー・テイストを醸すだけでなく、スペイシーな音空間を創出。そこにエレファント6界隈のバンドと共通する歪んだポップ・ワールドの匂いを嗅ぎ取ることは容易だろう。——以上のようなことを踏まえた上で、あらためて耳を傾ければ、ビーチウッド・スパークスには、21世紀に生きるロック・バンドとしての存在価値が見いだせるのだ。

制作協力:
OKMusic

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