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LITTLE、細川貴英 特別対談

LITTLE+細川貴英が語り合う、韻の面白さと使い方「韻はフェティシズムの世界 それをいかにポップスにしていくか」

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 8月12日にニューアルバム『アカリタイトル2』をリリースしたLITTLEと、6月2日に発表された『声に出して踏みたい韻 ヒット曲に隠された知られざる魅力』(オーム社)の著者、細川貴英氏の特別対談。「日本人の韻リテラシーを高めたい」という思いを持ち、某企業でエンジニアとして勤務しながらラッパーとしても活動する細川氏の本書では韻の仕組みやその美しさが解説され、中でも同氏はKICK THE CAN CREWやLITTLEの楽曲に含まれた韻の素晴らしさに感銘を受けたという。今回のLITTLEとの対談では、日本語ラップシーンにおける韻についての考え方の変遷から、『アカリタイトル2』収録曲にみるLITTLEの韻のテクニック、さらにはLITTLEと細川氏が考えるこれからの韻のあり方まで語ってもらった。

「本当に考え込まれた韻というのは少なくなっている」(細川)

細川:僕が韻を人生のテーマのひとつにしようと決心したのは、まさにLITTLEさんがきっかけだったんです。KICK THE CAN CREWがメジャーデビューして日本語ラップ界を席巻していた2001~2002年頃、当時は商店街や飲食店でも「イツナロウバ」や「マルシェ」がかかっているほどの勢いだったので、三重県の田舎にいた僕たちの耳にもラップというものが届きました。中でもLITTLEさんのヴァースの韻がすごくて、ちょうどそのとき一緒にいた母親に「ちょっとお母さん、これマジすごくない?」と言ったんですけど、まったく理解されなくて(笑)。それが悔しくて韻の研究を始めたという感じです。LITTLEさんは当時、どのようにしてスタイルを確立していったのですか?

LITTLE:日本語ラップにはもちろん、以前から韻を踏むというテクニックはあったんですけど、おそらく僕らの世代から同時多発的に、長いセンテンスで踏んだりとか、トリッキーに踏んだりするのが流行ったんですよ。これまでの日本語ラップの韻を、さらに一歩進化させたスタイルという感じで、それがうまく時代ともマッチしていたのだと思います。

細川:あの時代は、いま振り返っても圧倒的に良質な韻が踏まれていましたね。今では韻以外のものを重視するようになったラッパーたちも、当時はとことん韻のルールに忠実でした。だけど、多くのリスナーがあまりそこに注意を払うことがないうちに、その時代が終わっていった印象で、少し寂しく思います。

LITTLE:そうですね、だんだんと韻に重きを置かなくなっていきましたね。Zeebraさんが12〜13年ぐらい前に「きっちり韻を踏まなくても、それっぽく聴こえるほうがUSっぽくてかっこいい」みたいな提言をして、その後はシーン全体がフロウ重視になっていったように思います。

細川:当時よりもラップは一般的になっているし、フリースタイルなんかも流行っているけれど、本当に考え込まれた韻というのは少なくなっている印象です。個人的にはもっとシーン全体の“韻リテラシー”が高くなってほしいと思っています。

LITTLE:嬉しい意見ですね。いまは商業的に見て、必ずしも韻の作り込みが求められているわけではないと思うし、それこそKREVAだって違う方向性を模索している。新しいアルバムを1枚出して、韻の話をしてくるラッパーもほとんどいないです。一文字違いの韻なんかは、ダジャレっぽく聞こえかねないから、それを嫌うラッパーもいますしね。ただ、そういう韻が見つかる確率って少ないじゃないですか。母音だけを揃えるのは、かなりの確率でできるけど、濁点を1個減らしただけでまったく違う意味合いになったりする言葉はほとんどない。だから、韻は先に踏んだ者勝ちで、そういうところも面白さのひとつだと思うし、俺はやっぱり好きなんですよ。

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