『HARE NOVA Vol.02』ライブレポート 「音楽の新しい時代を作るのはやっぱり人間」

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 会社設立40周年を迎えるソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)が、4月から7月にかけて展開するライブオーディションシリーズ『HARE NOVA』(ハレノヴァ)。その第2回目『HARE NOVA Vol.02』が5月21日、渋谷clubasiaで開催された。SMAは奥田民生や氣志團、YUKI、木村カエラ、西野カナ等、100組以上のミュージシャン、俳優、タレント、芸人、文化人などが在籍するマネジメントオフィス。この『HARE NOVA』は、合計4回の各回から選ばれたアーティストが8月に行われる渋谷TSUTAYA O-EASTのファイナルステージに出演し、そこで選出された2組が9月に行われるSMA主催の日比谷野外音楽堂2daysにオープニングアクトとして出演できるというもの。

 「HARE NOVA」のオフィシャルHPでも記されているように、このイベントは勝ち抜きオーディションではなく、「出会いの場」であることをコンセプトに掲げている。将来的にはメジャーデビューへのきっかけになるかもしれないが、このイベントで、より多くの音楽ファンにこれからの音楽シーンを担うアーティストと繋がったり、バンド同士が仲良くなったりできる機会を作れればと開催されている。また、様々なレコード会社、レーベルのスペシャリストが「ゲストウォッチャー」として参加し、ライブを終えたそれぞれのアーティストにアドバイスするなど、若いアーティストがプロの評価を得る貴重な機会があることもこのイベントの特徴だ。今回リアルサウンドでは、イベントにゲストウォッチャーとしても参加した音楽ジャーナリストの宇野維正氏によるライブレポートを掲載する。(編集部)

・出演アーティスト
FREE SQUARE
絶景クジラ
Omoinotake
vivid undress
さしすせそズ
黒猫チェルシー(ゲストアクト)

・ゲストウォッチャー
原田公一(ソニー・ミュージックアーティスツ)
伊藤裕美(ソニー・ミュージックアーティスツ)
横田 衛(ソニー・ミュージックアーティスツ)
石川 大(ソニー・ミュージックレーベルズ)
宇野維正(音楽ジャーナリスト)

FREE SQUARE

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 最初に登場したのは、高校卒業と同時に福岡から上京、現在は下北沢や渋谷のライブハウスを中心に活動している4ピース歌ものギターロックバンド、FREE SQUARE。本日の最年少バンド(平均年齢19歳)である。下北沢あたりで活動している若いギターロックバンドというと、数年前まで演奏がまだ心もとなくステージ上でも俯きがちなバンドが多かったが、FREE SQUAREはドラム以外のフロント3人がサウンドも立ち位置も前へ前へとグイグイ押し出してくる、その「熱さ」と(いい意味での)「暑苦しさ」が特徴。そんな剥き出しのライブパフォーマンスだけでなく、ボーカルの藤森が恋人への感傷をストレートに綴った「お姫様のワガママ」を筆頭に、詞作面においても若さと青さがほとばしっていた。

■ゲストウォッチャーコメント
原田公一「僕は初めてのバンドを見る時、目を瞑って、ボーカリストの声がどれだけ心に迫ってくるかに耳を澄ますんですね。藤森さんは、とてもいい声をしてる」
伊藤裕美「まだ未整理の部分があるので、演奏力やアレンジ力を磨いて、もっと歌が前面に出てくるようになるとよくなると思います」

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