チームしゃちほこ、涙の全力ライブ アイドルの聖地「中野サンプラザ」を熱狂の渦に

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ももいろクローバーZの妹グループとして知られるチームしゃちほこ。

 チームしゃちほこが5月11日、中野サンプラザホールにてワンマンライブ『店長サミット!!!~ありがとうを伝えきれなくて~』を開催、全19曲の楽曲を全力で歌いきった。

 マネージャーである「店長」らが、チームしゃちほこの今後について話し合うトークイベントの終了後、ステージ奥の垂れ幕が落ちると、中からメンバーが登場。当日のテーマである「ありがとうを伝えきれなくて」にかけて、普段は終盤に歌う「マジ感謝」からライブがスタートした。ステージ上部に据えられたスクリーンには、先日まで行われていたZeppツアーのダイジェスト映像が映され、早くも会場は熱気に包まれる。3曲目「OEOEO」は、自己紹介をイントロに混ぜ込んだミックスバージョンで披露、4曲目の「恋人はスナイパー」ではセリフを「見て~あれはアイドルの聖地中野サンプラザ~」に替えるなど、ライブならではの演出も見られた。ももいろクローバーZゆずりの“全力パフォーマンス”も絶好調、8曲目、エアギターの振り付けから始まるロック色の強いアップナンバー「エンジョイ人生」を初披露した後は、新シングルの表題曲「いいくらし」を含め、「大好きっ」まで7曲連続で歌う。コミカルでありながらも激しいダンスと、熱のこもった歌唱を笑顔で披露し続ける姿には、有無を言わせぬ説得力がある。

 名古屋を拠点とするチームしゃちほこは、2012年4月に名古屋城で路上デビューしてから、瞬く間にその規模を拡大してきた。結成から約2年にして、アイドルの聖地ともいわれる中野サンプラザホールを埋めただけでもすごいことだが、夏には武道館公演も決定しているというから驚きだ。彼女たちは今、もっとも勢いのあるアイドルグループのひとつといっても過言ではないだろう。その人気の理由は、先に触れたような“全力パフォーマンス”が、ライブアイドル全盛の昨今において大きな武器になっていることはもちろん、各メンバーのキャラクターが立っていることや、個性的で楽しいアートワークにもあるだろう。その辺は、ももクロ、私立恵比寿中学といった姉妹グループによって培われたスキームがしっかり活かされていることを感じさせる。

 また、今回のライブで改めて注目したのは、その音楽性である。Naoki Takadaこと、SEAMOが作詞・作曲に参加した「首都移転計画」や、『マルモのおきて』の主題歌『マル・マル・モリ・モリ!』を制作した宮下浩司が作詞する「愛の地球祭」、そしてTKサウンドの流れを感じさせる最新シングルの「いいくらし」といった、クラブミュージックを独自解釈したアイドルポップスが、彼女たちの持ち味のひとつ。ヒャダイン以降に流行している、予測不能の曲展開もさることながら、どこか懐かしくも変テコな旋律のシンセサウンドが、なんとも楽しい気分を盛り上げる。そこに彼女たちの、キッチュでプラスティックな質感のロリータボイスが乗ることにより、楽曲に強い中毒性を帯びさせている。言ってみれば、かなりアシッドなサウンドに仕上がっているのだ。それでいて歌詞に目を向けると、味噌カツや青春について元気に歌ったかと思えば、「もし生まれ変わったら……なんて、ちゃんと準備しとかないと魂も消えてしまうよ」(「愛の地球祭」)と、急に怖いことを言い始めたりして、実に奇妙な、しかし愉快な世界感である。

チームしゃちほこ「いいくらし」MV

 90年代に電気グルーヴやスチャダラパー、あるいはライムスターといったミュージシャンに夢中になった音楽ファンにとっては、どこかしら近しいノリを感じさせるグループではないだろうか。そういった意味合いで最新曲の「いいくらし」は、彼女たちの今後の方向性をさらに明確にした一曲といえるかもしれない。アシッドハウスとアニメ声のハーモニーは、リスナーに独特の“トリップ感”をもたらすこと受け合いだ。実際、この日のライブで「いいくらし」が披露されると、観客は彼女たちの振り付けをマネて、その場でリズムに合わせてジャンプをし、会場はシュールな雰囲気に包まれた。

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