渋谷慶一郎が“亡き妻の顔”を持つアンドロイドを作った理由 ウェイン・マクレガーとの共同プロジェクトなどを含めて話を聞いた

渋谷慶一郎・マクレガーとプロジェクト発表 

 先日の記者発表によれば、2027年初演の新作舞台作品は文化庁が主導する「文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター支援基金)」内の「クリエイター・アーティスト等育成支援」の一環で、「分野横断的新領域」として多数の若手クリエイターやアーティストが関わり、渋谷らの作品制作のなかで彼らが成長することが期待されている。

渋谷慶一郎、ウェイン・マクレガーと共同プロジェクト発表 ”亡き妻の顔”を持つアンドロイドも参加
左から、サー・ウェイン・マクレガー、渋谷慶一郎、妹島和世

 また、先がけてマクレガーと共演した先日の「PRADA MODE OSAKA」は「あらゆるジャンルの人がアンドロイドが自分の演出に応えられるかを聞くけど、ウェインは『アンドロイドの動きをダンサーに学習させる』と言って踊り出したんです。彼と一緒にやりたいと思った自分の直感は正しかった」と振り返る。

 一方のマクレガーは「ダンスのいいところは身体の可動域を超えたところで表現する点。アンドロイドも身体の向こう側にいると考えていて、そこにあるのは何かと考えている」と発言。渋谷の創作に対しては「クラシック音楽に匹敵する強さと音響的なインパクトがある。その響きが持つ言語のようなものに体が突き動かされる」と評価していた。

 そして舞台美術として関わるのは、2024年の文化功労者に選出され、渋谷とは昨年末のピアノコンサート「Keiichiro Shibuya Playing PianoーLiving Room」でもコラボレーションを披露している建築家の妹島和世。気になる公演の詳細は来年に発表となる。

 なお、アンドロイド・マリアは今年11月5日に都内ホールで本格的なデビューを飾る予定で、それまで開発と進化が淀みなく続くという。国内屈指の文化的プロジェクトがどんな作品になるのか、今後の動きにも期待だ。

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