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「こうも寒いと、太陽が恋しくなっちゃうね」なんて声が聞こえてきそうな温もりに満ちた音楽。スコットランドのグラスゴーという都市が抱える多くの良質なギター・ポップ・バンドから感じられるのは、「寒いからこそ、心はあったかくいたいね」といったほのぼのとした雰囲気だ。
———ザ・ボーイ・ヘアドレッサーを前身として、89年にシングル「EVERYTHING FLOWS」でデビューしたティーンエイジ・ファンクラブは、そんなグラスゴー・シーンの中心的存在である。ノーマン・ブレイク(vo&g)、レイモンド・マッギンレイ(vo&g)、ジェラルド・ラヴ(b&g)の3人がソング・ライティングを分業し、それぞれ異なった色を発しながら繰り広げる楽曲は、フィード・バック・ノイズ全開のインディ・ロックから、60年代のアメリカからの影響が感じられる土臭さいっぱいのサイケデリック・チューンまで多彩。そして、それらすべてが「太陽への憧憬」と「古き良きアメリカン・ロックへの敬意」をたたえながら、きらめくような美しいメロディをともなって鳴り響いている。———BMXバンディッツやパステルズ、ベル&セバスチャンといった同郷バンドは言わずもがな、盟友ポウジーズ(惜しまれながらも解散)、フランク・ブラックなど他のアーティストとの交流も盛んだ。結成から10年以上たっても常に第一線で活躍する彼らは、すでに重鎮バンドとして後進のバンドから厚い支持を受けている。

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