甲斐バンドの記事・ニュース・画像一覧
日本のロック・シーンに伝説的グループとして足跡を残している甲斐バンド。74年に甲斐よしひろ(vo)、大森信和(g)、松藤英男(ds)、長岡和弘(b)の4人により、シングル「バス通り」でデビューした。76年、当時としては異例の300時間かけて録音された3rdアルバム『ガラスの動物園』を発表し、、歌謡曲的な手法を最大限ロック化させた楽曲に、恋愛〜失恋や多感な若者の心情を切々と歌う「甲斐ワールド」の融合に成功する。その後、SEIKOのCMソングとしてオン・エアされた「HERO/ヒーローになるときそれは今」や、「安奈」「漂泊者(アウトロー)」と立て続けにシングルヒットを記録。その存在は、洋楽志向の若者たちも魅了した。以降、甲斐の描くテーマは、男の孤高のロマンティシズムやハードボイルド的なものへと変化し、サウンドもよりロック色を強めていった。また、70年代には年間100本を越すライヴを毎年のように敢行し、純然たるライヴ・バンドとして名声を確立している。当時のパフォーマンスの充実は、『100万ドルナイト』や『流民の歌』といったライヴ・アルバムに集約されているが、それはテレビ出演などのコマーシャリズムを避け、常にライヴを中心においた結果のあらわれといえる。84年には元ARBの田中一郎(g)が正式加入し、ギター・ワークの構成力を押し進めたが、86年3月、パーティの席上にて大森の「耳の不調」を理由に、解散を発表。日本武道館5日連続公演を最後に、「バンドは消えても曲は残る」という名ゼリフを残してその活動に幕を下ろした(正式には29日の黒澤フィルムスタジオがラスト・コンサート)。しかし、96年に期間限定というかたちで復活。そしていよいよ01年に15年ぶりのニュー・アルバム『夏の轍』を発表——本格的再始動を果たした。