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バーズ〜クロスビー・スティルス&ナッシュといった超メジャー・グループを渡り歩いたデヴィッド・クロスビー。幼少の頃よりエヴァリー・ブラザーズやビーチ・ボーイズのコーラスに憧れただけあって無類のハーモニー好きなのは有名だが、ジャズやクラシックに影響を受けた音楽性、そして変則チューニングを用いた独特のギター・プレイも前述したグループに多大なる貢献をもたらした。特にバーズ時代の「Renaissance Fair(ルネッサンス・フェア)」や「Triad」(後にジェフォーソン・エアプレインがカヴァー)、クロスビー・スティルス&ナッシュ時代の「Wooden Ships」、そしてクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング時代の「Almost Cut My Hair」など、一聴してそれとわかる個性溢れる名曲を数多く残している。
クロスビーの初ソロ作がリリースされたのは71年。アルバム『If I Could Only Remember My Name』は、クロスビーらしさがふんだんに盛り込まれた名作といえよう。抽象的なメロディと複雑なハーモニーを、サイケデリックの残り香が漂うサウンドに溶け込ませ、幻想的な音世界を作り上げた。派手なセールスこそ記録しなかったが、いまだ良心的ロック・ファンの間では愛されている名盤である。
このアルバムのリリース後は、盟友グレアム・ナッシュとのユニットやクロスビー・スティルス&ナッシュの再編などの活動をして70年代を過ごすものの、80年代に入ると深刻なドラッグ中毒がたたり、一時は刑務所に服役するまでに身を落とす。しかし、周りの手助けもあって数々の困難を克服。89年の復帰作では、これまでの不調が嘘だったかのような瑞々しい歌声を聴かせてくれた。
最近では、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの再編で元気な姿を見せた以外にも、女性シンガー・ソングライター、メリッサ・エスリッジに精子を提供したことで話題を呼んだ。