CREAMの記事一覧

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クリームはジャズでありハードロックだ! ——名うてのプレイヤー3人が繰り広げる、ブルースを触媒にした長時間のインター・プレイは、まさにジャズ。そしてアンプを壁のように並べ立てる大音量での演奏は、HM/HRのルーツとなったのだ。
エリック・クラプトン(g)、ジャック・ブルース(b)、ジンジャー・べイカー(dr)という英国ミュージック・シーンを代表するスターが集結したクリームは、当時からスーパー・バンドと騒がれた。クラプトンの“ウーマン・トーン”と呼ばれる優しいタッチの奏法、ブルースのギター・ソロとみまごうほどテクニカルなリード・ベース、そしてスピード・メタルも真っ青なベイカーの自由奔放2バス・ドラミング——これらの要素がくんずほぐれつしながら、激しいインプロヴィゼーションを展開していく。それはヴォーカル主体による旧来のロックのフォーマットに、大きな風穴を開けたのだった。
しかし、彼らがクレバーであったのは、ライヴとレコーディングにおけるスタイルの使い分け——ライヴの即興演奏とは打って変わり、シングルではメロディ重視のサイケデリック・ポップを披露。「ホワイト・ルーム」「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」などのヒットを生み出したのだ。
66年から69年まで、たった3年という短い活動期間でロック・ミュージックのさまざまな可能性を導き出したクリームは、ロック史における最重要グループの1つであろう。