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フリッパーズ・ギター解散後、2年間のブランクを経て93年に発表された1stアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』(現在は『dogs』というタイトルで発売中)でソロ・キャリアをスタートさせる。スティーヴィー・ワンダー、ラヴィン・スプーンフルらの名曲をさりげなく引用したキラ星のようなメロディ・ライン、ギター/ベース/ドラム/キーボードによるシンプルで力強い演奏は、来たるべき新しい時代を予見するかのような説得力に満ちていた。そして語りかけるようにして放たれる、時代の気分を完全に表現した至高の言葉の数々。本人によるライナーノーツでも触れていたが、それらはまるでゴスペルのごとく感動的に響き渡った。この作品で救われたという若者は数知れずいるようだ。その後、スチャダラパーとのコラボレーション・シングル「今夜はブギー・バック」が大ヒット、クラブ・ミュージックおよびラップのメイン・ストリーム化に大きく貢献。94年には、2ndアルバム『ライフ』をリリース。前作で見せたような求道的な側面はまったくもって後退し、モータウン直系バブルガム・ポップ・サウンドのなか、恋愛におけるワクワクドキドキ感を高らかに歌い上げた。この人生讃歌はサブ・カルチャー系ワカモノのみならずOL層にも支持を受け大ヒットを記録。クリスマスとか、誕生日とか、プレゼントとか、おいしいレストランとか、そう誰もがラヴリーなステディとスマートに人生を謳歌したいということを証明したのだ。また、オリーヴ系女子のハートをくすぐる爽やかなルックス、歯に衣着せない率直な言動も躍進に一役買ったのではないか。その後、「痛快ウキウキ通り」、「戦場のボーイズ・ライフ」といったアッパー・ソングを矢継ぎ早にリリース、その人気を不動のものにしていった。また、96年発表の3rdアルバム『球体の奏でる音楽』では一転し、ジャズ・コンボに挑戦。老成したかのごとくゆったりと味わい深い仕上がりに。その後、数枚のシングルをリリースの後、沈黙。そして02年2月、4枚目のアルバム『Eclectic』で復活を遂げる。コンテンポラリーなR&Bをまったくもって“小沢健二らしく”再構築するのに成功。紛れもない名盤である。

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