『ラストノート』“眞澄”佐々木蔵之介と“澄晴”寺西拓人が涙の和解 “葵”内田有紀は家出へ

『ラストノート』眞澄と澄晴が涙の和解

 相手を思う気持ちは、胸の内にあるだけでは伝わらない。眞澄も、澄晴のためを思って余命を隠そうとしていた。子どもが傷つかないように先回りすることが、親の務めだと信じていたからこそ。けれど、澄晴はもう子どもではなく、自分の意思を持った立派な大人だ。本当のことを知ったうえで、どうするかは自分で決められる。葵に「信じてください、息子さんのことを」と背中を押された眞澄は、ようやく澄晴に真実を打ち明けた。

 眞澄の余命がわずかだからといって、これまでのことを簡単に許せるわけではない。それでも、自分を支配してきた父親の胸の内を、最後にきちんと知りたかったのだろう。葵の言葉を思い出し、自分の声に耳を澄ませた澄晴は、眞澄と残された時間を共に過ごす道を選んだ。

 眞澄が、自分がひとりぼっちになることを案じて葵に別れを迫ったと知り、澄晴は「人って、そんな簡単にいなくならないんじゃない?」と返す。亡き母親が今も眞澄や澄晴の中で生きているように、この先別れを迎える大切な人たちもまた、自分の中に残り続けるのだと。一緒に笑い、泣き、ぶつかり合った記憶は決して消えない。別れの悲しみも含め、その人と過ごした時間を抱えながら生きていく。それが、澄晴の選んだ幸せだった。

 自分の物差しで勝手に幸せを決めつけてきたことを詫びる眞澄に、澄晴は「大切なものは全部、取り返すから。だから大丈夫」と答える。「お前はすごいなあ」と感心しながら、眞澄が差し出したのは、澄晴が子どもの頃から好きだったオレンジジュース。澄晴がどれだけ頼もしく成長しようと、眞澄にとってはいつまでもかわいい我が子なのだ。泣きながらジュースを飲む澄晴の頭をなで、眞澄は「頑張れ。頑張るんだぞ」と繰り返す。その目には、幼い子どもに向けるような慈しみがあふれていた。

 これまでの眞澄は、穏やかに話していても何をしでかすかわからない、不気味で恐ろしい人物だった。ところが死を間近にしてすべての棘が抜け落ち、最後には、情けないほど不器用で、それでも息子を深く愛する一人の父親の姿が立ち現れる。そんな眞澄の変化を、佐々木蔵之介が見事に体現していた。

 親子が最後に心を通わせることができた一方で、葵と澄晴は再びすれ違ってしまった。澄晴と別れ、スーツケースを手に家を出る葵は、どこへ向かおうとしているのか。その決断は彼の将来を思ってのものだが、澄晴が何を望んでいるのかは聞いていない。眞澄に余命を打ち明けるよう促したとき、葵は、事実を知ったあとどうするかは澄晴自身が決めることだと話していた。その言葉は、今の葵にも返ってくる。今度は葵が、澄晴の声に耳を傾ける番だ。

■放送情報
木曜劇場『ラストノート』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00〜22:54放送
出演:内田有紀、寺西拓人、坂井真紀、桜井日奈子、草川拓弥、徳井義実、佐々木蔵之介ほか
脚本:的場友見
演出:相沢秀幸、中前勇児
プロデュース:三竿玲子
主題歌:椎名林檎「裸」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/lastnote/
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