『HiGH&LOW THE 戦国 外伝』はシリーズの真骨頂 小野塚勇人「新しく観る方も楽しめます」

『HiGH&LOW THE 戦国 外伝』はシリーズ真骨頂

 仲睦まじい会見からは一転、舞台は観客の心拍数を跳ね上げるような演出から始まる。巨大なスクリーンに映し出される60秒のカウントダウン。数字が突如止まったかと思えば、客席サイドからキャストが登場し、我々のいる空間は“蔵の中へ”と変貌。ステージから客席へと流れる濃密な煙に包まれ、五感でその世界観を味わうことになる。

 「海賊・謝羽良一家」「山賊・斑目一家」が姿を現すと、早くもド派手なパフォーマンスが炸裂。小野塚、笹森、彩風という主要キャスト3人による殺陣と歌が畳みかけるように繰り広げられ、一気にハイローの渦中へと引き込まれる。

 本作の大きな強みとなっているのは、あらゆるエンターテインメントの“いいとこ取り”ともいえる多面的なアプローチ。体に響く重低音とキレキレのダンスは、無条件に観る者を興奮させる。客席からクスッと笑いがこぼれるコミカルなセリフも多く散りばめられており、緩急のバランスが絶妙。さらには巨大スクリーンを巧みに活用することで、視覚的にも分かりやすく物語が進行していく。

 満を持して座長を担う小野塚は、どこか憎めない人間味を滲ませながらステージ中央に立つ。鋭い殺陣のキレで魅せつつも、真っすぐで熱いパッションを爆発させ、誰もが応援したくなる“愛されキャラ”を体現する。

 一方、笹森は端正なイメージを180度覆し、“これまでにない役”に挑戦。荒々しい山賊の頭として、美しさを脱ぎ捨てた泥臭いアクション、ドスの利いた叫びで観客を圧倒。その裏に隠された悲哀を繊細に表現し、役者としての新たな覚醒を見せつける。

 そして、女海賊の頭を演じる元宝塚歌劇団トップスター・彩風が放つ絶対的なオーラ。抜群のスタイルから繰り出されるダイナミックかつ流れるような殺陣、力強くもポップな歌唱シーンなど、あらゆる場面から“彩風がこの役を演じた意味”が伝わってくる。

 さらに、観客に強烈なインパクトをもたらすのが男花魁に扮する小澤。高さのある花魁下駄を履きながら、劇中歌に乗せて華麗に舞い踊るその姿は、あまりに妖艶、かつダイナミック。本人が「色気」を見どころとして挙げていた通り、指先一本にまで神経が通った美しさは、「これだけを観るために劇場へ足を運んでも惜しくない」と思わせるほどの引力に満ちている。

 物語の中盤からクライマックスにかけては、笹森と彩風、あるいは小野塚と蒼木による一騎打ちという、張り詰めた魂の激突も。一方で、卓越した身体能力を持つアクションチームによる、大人数が入り乱れるアクロバティックな大乱戦。そんな“個の熱量”と“集団の迫力”が織りなす強弱のコントラストもまた、本作の魅力といえるだろう。

 それぞれの賊が掲げる譲れない“流儀”、そして“大切な人”を必死で守ろうとする情熱に、誰もが胸を熱くする……これぞ『HiGH&LOW』シリーズの真骨頂。これまでのシリーズファンはもちろん、初めてハイローに触れる観客をも一瞬で虜にするパワーが、この舞台には宿っている。

■公演情報
舞台『HiGH&LOW THE 戦国 外伝』
東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場):7月15日(水)〜30日(木)上演
大阪・梅田芸術劇場メインホール:8月7日(金)〜9日(日)上演
愛知・御園座:8月14日(金)〜16日(日)上演
出演:小野塚勇人、笹森裕貴、彩風咲奈、山田健登、蒼木陣、小澤竜心
脚本:平沼紀久、渡辺啓
演出:平沼紀久
企画・制作:梅田芸術劇場
公式サイト:https://www.umegei.com/high-low-sengoku-gaiden2026/
公式X(旧Twitter):https://x.com/HiGH_LOW_SG_ume
公式Instagram:https://www.instagram.com/high_low_sg_ume/

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