菊池亜希子、イメージを一変させる演技の振り幅 『風、薫る』では“養成所の聖母”に

NHK連続テレビ小説『風、薫る』では、りん(見上愛)と直美(上坂樹里)の看護婦養成所での日々がスタート。養成所に集ったのは、りんたちをあわせて7人。世間の風あたりの強い職業を目指して集う女性たちということで、『虎に翼』(2024年度前期)の寅子(伊藤沙莉)らを思い浮かべるが、その時以上にみなキャラが濃い。そんな中、もの静かな最年長の泉喜代を演じているのが、菊池亜希子である。
モデルとしてキャリアをスタートさせた菊池は、飾り気のないゆるい雰囲気と、シンプルだがこだわりのあるスタイリングで人気に。自らの名前を冠した雑誌『菊池亜希子ムック マッシュ』で編集長を務め、計10冊を刊行している。
2007年頃から本格的に俳優活動を開始し、さまざまな映画やドラマに出演。周囲に馴染みながらも目を引くその独特な雰囲気が、作品に確かなアクセントを加えている。
最近では、柳楽優弥主演のNetflixシリーズ『九条の大罪』に、新聞記者の市田智子役で出演した。本作は、柳楽演じる九条の「依頼人を善悪や貴賤で選別しない行動と弁護」が話題になっているが、作品のもう一つの軸となっているのが、九条の家族関係と、バディである烏丸(松村北斗)の父が起こした事件だ。市田は記者としてその両方に関わりを持っており、九条と烏丸を引き合わせたキーマンでもある薬師前(池田エライザ)と繋がりがある、実は物語に欠かせない人物なのである。
菊池はこうした記者のような真面目な役が多い印象だが、そのイメージを一変させたのが『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系/2025年)で演じた山岸さより役だ。
菊池亜希子、『あんたが』夏帆の姉役で出演 星田英利が父役、しゅはまはるみが母役に
TBS火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第7話にしゅはまはるみ、菊池亜希子、星田英利が出演することが発表された。 TV…さよりは大人しい性格の鮎美(夏帆)の姉で、一家では変わり者として扱われていた。陽気な性格で海外を飛び回り、突然帰ってきたかと思いきや恋愛リアリティーショー「マリッジサバイバル」に出演。鮎美とは違う自由奔放さを見せて視聴者を驚かせた。その恋愛リアリティーショーには勝男(竹内涼真)の失恋友達・椿(中条あやみ)も出演しており、鮎美と勝男の意外な繋がりも本作のコミカルさを強調するものとなっていた。
『風、薫る』で菊池が演じる喜代は、キリスト教を信仰しており、「人に奉仕する看護の仕事をなりわいにしたい」と養成所に通い始めた。さらに、幼い娘がいるりんへ「お嬢さんもいらっしゃるのに、偉いですね」と声をかけたり、教会にいた直美へ向かって「私もキリスト教を信仰していて……」と話し始めたりと、静かではあるが同窓生たちと円滑にコミュニケーションを取ろうとしていた。

養成所のメンバーの大半はオーディションで決められたが、菊池だけはオファーだったそうだ。やはり、周囲に溶け込みつつ確かな存在感を発揮できる彼女の力が必要とされたのを感じる。
『虎に翼』では、最年長の梅子(平岩紙)が「親権をとって離婚したい」と具体的な目標を持って弁護士になることを目指し、悩みもがいている寅子たちに年長者としてアドバイスしたり優しく見守ったりと、グループの“母”として慕われていた。「看護」をテーマにしている本作において、キリスト教の教えや考え方は、ナースの精神性を育む上で重要なものになると考えられる。喜代は梅子に比べると消極的だが、これから「養成所の聖母」となっていくのかもしれない。
今のところ喜代は、りんや直美たちに振り回されているようだ。これからナースの卵として奮闘し始めた喜代の変化と、そんな彼女を菊池がどう演じていくかに注目していきたい。
■放送情報
2026年度前期 連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から土曜8:00~8:15放送 ※土曜は一週間を振り返り ※NHK ONEで同時・見逃し配信あり
NHK BS・BSプレミアム4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送
出演:見上愛、上坂樹里ほか
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
音楽:野見祐二
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り:研ナオコ
制作統括:松園武大、宮本えり子
プロデューサー:葛西勇也、松田恭典
演出:佐々木善春、橋本万葉、新田真三、松本仁志ほか
写真提供=NHK


























