『GIFT』“伍鉄”堤真一が見出した勝利の方程式 山田裕貴と本田響矢の手に汗握る対決

『GIFT』山田裕貴と本田響矢の手に汗握る対決

 4月19日に放送された日曜劇場『GIFT』(TBS系)第2話では、個の力をかけ合わせる勝利の方程式が示された。

 シャークヘッドとの一戦に敗北した車いすラグビーのブレイズブルズ。日本選手権はシャークヘッドが優勝し、ブルズは6位という結果に終わった。ある日、伍鉄(堤真一)が選手たちの前に現れる。ブルズを勝たせると豪語する伍鉄は、アシスタントコーチ就任をかけて、“マジ組”レギュラーの選手に勝負を挑んだ。

 闇に墜ちた天才学者と闇に墜ちたかつての強豪チーム。第2話は、どん底からのスタートとなった両者がタッグを組むファーストステップで、いわば「おためし」の段階。しかし、その結果は鮮烈だった。

 普通に考えれば、車いすラグビーに関しては素人の伍鉄が、競技をレクリエーションとして楽しむ“レク組”の控えメンバーを率いて、競技経験豊富な涼(山田裕貴)たちに勝つことはまず不可能だ。伍鉄は、悩んだ末にあるプランを導き出す。

 試合開始当初、涼たちに押し込まれるた控えチームだったが、試合が進むにつれて徐々に反撃に転じる。まずはエースの涼を徹底マーク。車いすラグビー特有の時間制限を利用して、敵のボールを寸断し、自分たちのボールにする。

 涼が潰されるとバラバラになるレギュラー組に対して、ボールを保持したときの動きが統一された“レク組”は、個々の長所がかけ合わさることで、チームとしての連動性が生まれる。たとえば、李(水間ロン)は、伍鉄に言わせると「重力の異常から発見された海王星」で、忍者のように存在感を消して相手をマークできる。

 チーム最年少の“BT”坂東(越山敬達)は、涼をいつも観察していた。「天体の軌道を追う望遠鏡のような目」で、涼の動きのクセを研究して真似していた。強気なプレーが持ち味の嬉里(冨手麻妙)、無駄のない動きの竹松(やす)。そこに伍鉄が全体を俯瞰し、試合展開を読んで的確な指示を出す。

 「一つ一つの個が引き合えば、答えは必ず出ます」と伍鉄は語る。「個が引き合う」相互作用を別の言葉で表現するなら、“リスペクト”ではないだろうか。互いを尊重し、関心をもって仲間の長所を知ろうとする姿勢がレク組にはあった。その根底には車いすラグビーを楽しむ競技へのリスペクトがあり、涼たちレギュラー組への敬意があった。勝利には必然性があり、そのわずかな可能性を伍鉄は見出したことになる。

 アシスタントコーチの座を勝ち取った伍鉄が最初にしたことは、涼をエースの座から引きずり下ろすこと。そんなことして大丈夫なのかと心配した人も多かっただろう。涼はライバルチーム「シャークヘッド」から誘われ、心が揺れていたからだ。そして、伍鉄は涼に代わるエース候補を連れてくる。それが圭二郎(本田響矢)だった。

 第1話に登場し、車いすのレースで金を巻き上げていた金髪の青年が圭二郎だ。ちょうど両親も彼のためにブルズへの入団を相談していた。賭け金を要求する圭二郎に、伍鉄はある勝負を持ちかける。

 圭二郎と涼の対戦を通して描かれたのは、さまざまな位相の再生だったと思う。真剣勝負のぶつかり合いを通じて、投げやりな人生を送っていた圭二郎の心に灯がともり、涼が失いかけていた情熱を取り戻す。冷え切っていた親子の関係にふたたび血が通いはじめた。

 設計図を描いているのは伍鉄だ。まるで魔術師のように、宇宙の法則から人間同士の関係値を予測して、あるべき姿にフィットさせる手並みは天才的だ。しかし、そこで最後のワンタッチを加えているのが、当事者自身であることは忘れないでおきたい。

 それは坂東が見せた「もう一漕ぎの勇気」であり、圭二郎を抱き起こす父親の手であり、挑戦者に触発されて本気になる涼の気持ちの熱さだ。思うに一番星はいつもそこにある。見上げた涼の眼にひときわ輝いて映ったのは、その光が受け止める側の心に届いたからだ。宇宙との調和、個と個の共鳴を掲げる『GIFT』は、全てを変える最初の一歩は自分自身が踏み出すことを教えている。

 希望を与えながら、相手を闇に墜とす伍鉄はブラックホールのような存在だ。偶然の出会いに胸を高鳴らせる坂本(玉森裕太)には、母・広江(山口智子)が知る過去もあるのだろう。宇宙のように広がるドラマの今後に注目したい。

■放送情報
日曜劇場『GIFT』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:堤真一、山田裕貴、有村架純、本田響矢、細田善彦、細田佳央太、円井わん、越山敬達、八村倫太郎、やす(ずん)、水間ロン、冨手麻妙、ノボせもんなべ、杢代和人、宮﨑優、生越千晴、町田悠宇、澤井一希、中山脩悟、田口浩正、西尾まり、真飛聖、麻生祐未、菅原大吉、吉瀬美智子、玉森裕太、安田顕、山口智子
脚本:金沢知樹
企画・演出:平野俊一
演出:加藤尚樹、伊藤弘晃
プロデューサー:宮﨑真佐子、内川祐紀
協力プロデューサー:中澤美波
監修・協力:一般社団法人日本車いすラグビー連盟
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/GIFT_tbs/
公式X(旧Twitter):@gift_tbs
公式Instagram:gift_tbs
公式TikTok:@gift_tbs

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