赤井秀一はなぜシリーズ屈指の重要キャラに? 『名探偵コナン 緋色の弾丸』に詰まった魅力

赤井秀一はなぜシリーズ屈指の重要キャラ?

 一方で、赤井は射撃センスだけでなくFBI捜査官としても他の捜査官を圧倒する実力を兼ね備えている。TVシリーズ第1077~1079話の長編として放送された「黒ずくめの謀略」では、黒ずくめの組織に追われるキャメル捜査官を的確な指示と豊かな知識、そして驚きの発想で救出することに成功するなどその頭脳も確かだ。

 そんな赤井秀一の捜査官としての素質が顕著に現れたのが、TVシリーズ第495~504話というコナン史上最長エピソードとなった「赤と黒のクラッシュ」だ。組織との激しい攻防線の末、赤井は組織に殺害されることとなる。が、これはフェイク。組織に向けて死を偽装し、大学院生の沖矢昴としてその身を偽装しながら現在も組織を追い続けている。この作戦は赤井秀一の登場初期でも使われた手法である『名探偵コナン』ならではの読者を巻き込んだ大きなミスリードであるとともに、赤井と同じくFBI捜査官であるジョディやキャメルといった面々をも騙す大胆な仕掛けを、コナンとの共同作戦とはいえ、とっさに実行してしまう赤井のFBI捜査官としての確かな胆力を感じ取れるエピソードとなっている。

 自身を幼児化させた黒ずくめの組織を追うコナンにとって、同じ目標を持つ赤井秀一は今や最大の協力者という存在である。上記の「赤と黒のクラッシュ」をはじめ、黒ずくめの組織との対決においては常に赤井とコナンは共闘している。黒ずくめの組織との対決を重ねる中で確かな信頼を積み重ねてきた両者の強固な関係値が感じられるのが上記した「黒ずくめの謀略」のエピソードだ。作戦の成功を無言のサムズアップでコナンに伝える赤井や、組織との銃撃戦の後に駆けつけた警官から逃れるためとっさに親子のフリをする赤井とコナンなど、この2人の成熟した関係を楽しみたい人にはオススメしたいエピソードだ。

 第881~882話「さざ波の魔法使い」では、江戸川コナンになる前の工藤新一と赤井秀一が邂逅していたエピソードも描かれており、なにかこの2人は運命めいたもので繋がっているのではないかという予感すら感じられる。江戸川コナンというキャラクターが、ひいては『名探偵コナン』というシリーズがどういうフィナーレを迎えるとしても、赤井秀一という存在はその終幕に不可欠な存在なのである。

 そんな赤井秀一とその家族である世良真純、羽田秀吉、メアリー・世良が活躍するのが今回『金曜ロードショー』で放送される『緋色の弾丸』だ。それぞれFBI、高校生探偵、プロ棋士、MI6という立場の特異な家族であり、各々の思惑や目的、置かれたシチュエーションが交錯する状況でありながら適材適所でコナンを支え事件解決に向けて奔走する赤井家の正義の発露は、『緋色の弾丸』の大きな見どころと言えるだろう。なにより『緋色の弾丸』最大の注目ポイントは、本稿で記してきた赤井秀一というキャラクターの魅力が全方向に発揮される点にあるだろう。『名探偵コナン』最重要キーキャラクターのひとりである赤井秀一を『緋色の弾丸』で堪能してほしい。

◼️放送情報
『名探偵コナン 緋色の弾丸』
日本テレビ系にて、4月3日(金)21:00~22:54放送
声の出演:高山みなみ(江戸川コナン)、山崎和佳(毛利蘭)、小山力也(毛利小五郎)、池田秀一(赤井秀一)、緒方賢一(阿笠博士)、岩居由希子(吉田歩美)、高木渉(小嶋元太)、大谷育江(円谷光彦)、林原めぐみ(灰原哀)
ゲスト声優:浜辺美波(石岡エリー)
原作:青山剛昌『名探偵コナン』(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:永岡智佳
脚本:櫻井武晴
音楽:大野克夫
©2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

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