吉沢亮、『国宝』受賞で再注目されるストイックな俳優像 『ばけばけ』錦織に宿った魂の芝居

『ばけばけ』で吉沢亮が魅せた魂の芝居

 NHK連続テレビ小説『なつぞら』(2019年度前期)やNHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021年)で役柄が抱くまっすぐな志を体現したかと思えば、映画『銀魂』(2017年)や『ババンババンバンバンパイア』(2025年)など、コメディ作品でもその演技力を存分に発揮する。『キングダム』(2019年〜)の嬴政や『東京リベンジャーズ』(2021年〜)の佐野万次郎など、漫画原作の人気キャラクターに抜てきされた際も、ほとんど異論が出なかったと記憶している。アクションからコメディまで、凛々しい顔立ちで振り幅のある役柄を演じてきた吉沢だからこそ、これほど胆力が必要な役柄を任せられる存在になった。

『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

 そして、彼の振り幅のある芝居が大きな舞台で輝き放ったのが2025年だった。もはや前置きなど必要のない大ヒットを記録した映画『国宝』では、主演として主人公・喜久雄の壮絶な半生を生き抜き、板の上では生来の女型として、観ている人の目を釘付けにするような芝居を幾度となく披露する。舞台裏では生涯のライバルとなる俊介を演じる横浜流星と生々しい衝動をぶつけ合う姿は、華々しい光を浴びる艶やかな姿と表裏一体となって、喜久雄の研ぎ澄まされた美しさを際立たせていた。第49回日本アカデミー賞では『国宝』で最優秀主演男優賞を受賞したことが発表されたが、多くの部門で最優秀賞を受賞した本作の偉業は吉沢なくしては成し得なかっただろう。

最新映像解禁!映画『キングダム 魂の決戦』【特報】|7月17日(金)公開

 さらに、授賞式を目前にして、7月17日に公開される映画『キングダム 魂の決戦』が7月17日公開されることも決定。吉沢が演じる嬴政は、のちに秦の始皇帝となる王であり、主人公・信(山﨑賢人)とともに中華全土の統一を目指すキャラクター。すでに4作もの実写映画が制作され、その人気を確固たるものにしているシリーズであり、吉沢演じる嬴政の威風堂々とした立ち振る舞いも作品を重ねるたびに成熟している。

 今回の新作で描かれるのは、原作屈指の人気エピソードである「合従軍編」。本作がシリーズの集大成となる出来栄えになるかどうかの命運を握っているのは、間違いなく吉沢亮の芝居だ。その言葉が過言ではないほど、彼には物語の重大なカギを握る場面が待ち受けている。吉沢の背中にのしかかる重圧を筆者が想像できるはずもないが、2026年も引き続き、魂を擦り減らすような彼の芝居を目に焼きつけることになるはずだ。

■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

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