『豊臣兄弟!』菅田将暉が竹中半兵衛役を担う意味 夭折の天才軍師をどんな色に染める?

『豊臣兄弟!』菅田将暉が半兵衛役を担う意味

  一方で伝承からもわかるように、大胆さと冷徹なまでの知力を持ち合わせているのが半兵衛だ。その片鱗は第8回のエピソードから伝わってきたが、信長から秀吉へ受け継がれる天下統一の過程で存分に発揮されるだろう。義に厚い高潔な人間性も特筆される。信長になびかず、稲葉山城を龍興に返して自身は一線を退いたり、官兵衛の息子・松寿丸(のちの黒田長政)をかくまって守るなど、生き方までイケメンである。

 歴史に「もし」は禁物だが、秀長の死が豊臣政権の終焉につながったように、もし半兵衛が生きていたら、関ヶ原の合戦と江戸幕府はなかったかもしれない。今作のテーマを主人公とともに担うのが、竹中半兵衛なのである。

 そういう意味で、菅田への期待は大きい。良い意味で華があるのが菅田で、主演はもちろんのこと、助演級であってもポイントになる役で起用されることが多い。一つの表情やちょっとした動きで新たな意味を加えていく。作品のテーマや世界観を大事にしながら、単調なシーンでフックを生む、違いを作り出せるのが菅田将暉という俳優である。出演作では期待以上の演技を示し、観る者の脳裏にその存在を刻んできた。

『鎌倉殿の13人』菅田将暉の義経はあまりに見事だった 頼朝の慟哭が切なく響く

『鎌倉殿の13人』(NHK総合)第20回「帰ってきた義経」。源義経(菅田将暉)は京を離れ、奥州へ逃れた。しかし義経を温かく迎え入…

 菅田が大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)で源義経を演じたことは記憶に新しい。兄・頼朝(大泉洋)に謁見する登場シーンからしてインパクト十分だったが、戦場を駆ける野生児で、先入観にとらわれない戦の天才は菅田のハマり役だった。ちなみに、半兵衛と義経には接点がある。半兵衛ゆかりの一の谷形兜は、義経が勝利した一ノ谷の戦いにおけるひよどり越えの断崖を模したとされ、関ヶ原の合戦で黒田長政が着用したといわれる。

 菅田が演じる半兵衛が、スマートでさわやかな中に信念を感じさせる人物になることは容易に想像できる。その上で、菅田ならではのテイストを期待したい。義経の“動”に対して“静”、同じ天才でも直感型に対して知略の人である竹中半兵衛を、菅田がどんな色に染めるか楽しみだ。

■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜、大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮崎あおい、小栗旬、池田鉄洋、高橋努 ほか
作:八津弘幸
音楽:木村秀彬
語り:安藤サクラ
制作統括:松川博敬、堀内裕介
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
写真提供=NHK

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