『パン恋』終盤のカギを握る椎堂×アリアの過去 “一葉”上白石萌歌の恋愛は閑話休題に

週刊誌の記者に呼び止められ、妻子のいる男性とのツーショット写真を突きつけられたアリア(シシド・カフカ)。彼女はマネージャーの宮田(柄本時生)に対し、これは不倫ではなく「先生といる時」だと説明し、「あのことバレてないよな?」と釘を刺す。このドラマの“謎”のひとつとしてここまで機能してきたアリアの“3年前”に関する過去に触れるところから始まった、2月28日放送の『パンダより恋が苦手な私たち』(日本テレビ系)第8話。その答えは最後の最後でアリア自身の口から明らかにされるわけだが、それについては一旦明記を避けておこう。
さて、前回一葉(上白石萌歌)の実家に行くというかたちで急接近を果たした一葉と椎堂(生田斗真)。後日、一葉のことを「放っておけない」と言いながらも、それが友人としてなのか訊ねられた途端に「わからん」とはぐらかす椎堂。すると一葉は「先生はずるいです」と言い放ち研究室を出て行ってしまい、言われた側の椎堂は、自分のなにが“ずるい”のかわからず頭を悩ませることになる。

ちょっと話は逸れるが、この“ずるい”という言葉は近年、やたらと誤用されている言葉のひとつであろう。本来の“ずるい”は狡猾さ――すなわち自己の利益のために不正を行う者を非難する言葉であるのだが、単純な妬みなどの羨望――要するに“うらやましい”の意味で使う人が、主にSNSを中心に見受けられる。もっとも、この劇中で一葉が使う“ずるい”は、本来の意味でも誤用の意味でもなく、第三の、恋愛における用法――“思わせぶり”とでもいうべきか。いずれにせよ、人間の恋に興味のない椎堂は本来の意味で捉えてしまい、首をひねっているのだろう。

閑話休題、そんななかで一葉が担当する恋愛コラムの今回の読者相談は、親友の元カレを好きになってしまったという女性からの、「自分が傷付かないために気持ちは伝えないほうがいいのでしょうか?」というもの。まさしくアリアの元カレである椎堂に好意を寄せているが、なかなか一歩踏み出せないでいる一葉自身の現状と強くリンクしているものだ。中盤(今回はいつもより若干早かったような気がする)、気を取り直して椎堂に監修を求める一葉は、この質問の意図を「きっかけが欲しい。背中を押してほしい」ものだと紐解く。

そこで椎堂が例示するのは、ヒトコブラクダの“リスクを恐れずに本当の自分を真っ直ぐ相手にぶつける”求愛行動。傷付けば命に関わる軟口蓋という“弱点”をあえてさらけだしてアピールするのであり、椎堂曰く「本当に手に入れたいものならば、それくらいの覚悟を持つべき」と。傷付くことを恐れずに本当の気持ちをぶつけていかなければ何も変わらない。それは一葉と椎堂のまだふわふわした関係にも言えることである。

とはいえ椎堂の、明らかに一葉への好意に気付いているがそれを認めたがらない素振りには、それ相応の事情があるのだろう。今回、アリアは一葉の家で真樹(三浦獠太)から椎堂のことを訊かれ、「元カレなんて軽い存在じゃねえ」と呟く。15年前に別れている二人の過去――おそらくそれは、今回藤崎(小雪)が椎堂に直接問いかけた「モデルからなぜ研究者になったのか?」という問いにも直結するのだろう。アリアの過去と椎堂の過去、この二つがドラマ終盤のカギを握る謎というわけか。
恋が苦手とされるパンダなど動物たちは、実は限られたチャンスを活かす「恋愛上級者」だった。動物の求愛行動から、常識に囚われる現代人がシンプルに幸せになるヒントを解き明かす。
■放送情報
『パンダより恋が苦手な私たち』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00~放送
出演:上白石萌歌、生田斗真、シシド・カフカ、仁村紗和、柄本時生、三浦獠太、片岡凜、佐々木美玲、佐々木史帆、髙松アロハ(超特急)、平山祐介、宮澤エマ、小雪、筧美和子
原作:瀬那和章『パンダより恋が苦手な私たち』(講談社文庫)
脚本:根本ノンジ
演出:鈴木勇馬、松田健斗、苗代祐史
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:藤森真実、白石香織(AX-ON)
音楽:MAYUKO
主題歌:生田斗真「スーパーロマンス」(Warner Music Japan)
制作協力:AX-ON
©日本テレビ
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