『風、薫る』“安”早坂美海の縁談&見習い生たちの進路はどうなる? 揺れる女性たちの未来

『風、薫る』“安”早坂美海の縁談はどうなる

 NHK連続テレビ小説『風、薫る』第12週「旅立ち」第56話では、順調だった安(早坂美海)と宗一(上杉柊平)の結婚話に暗雲が垂れ込める。

 安の嫁入りに向け、両家顔合わせが行われることになった。慌ただしく準備する中、りん(見上愛)は環(英茉)の元気がないことに気づく。看護婦養成所を卒業するまでは寮生活のため、休日にしか家に帰れないりん。美津(水野美紀)も日中は「瑞穂屋」に働きに出ており、その間、環の面倒を見ているのは安だ。いわば親代わりも同然の安がいなくなることを環は寂しがっているのだろう。

 そんな環をよそに、両家顔合わせは滞りなく終わった。顔合わせには、直前に安に告白した宗一の弟・槇村(林裕太)も出席していたが、特に問題はなかったようだ。しかし、帰宅後に安が突然、「結婚やめようかな」と言い出す。

 りんとは違い、女の人生双六の「あがり」が「奥様」であることに、幼い頃から特に違和感を抱かなかった安。できるだけ良い家に嫁ぎ、子供を授かって、奥様として幸せに生きていく。そんな未来を夢見る安は、当時の女性の中では、りんよりむしろスタンダードだったのではないだろうか。

 宗一のこともてっきり一目惚れで好きになったのかと思っていたが、それは違ったようだ。奥様になりたいのも、環に優しく接する宗一に好感を持ったのも事実。ただ、どうせ奥様になるのなら、好条件な相手がいいと思い、容姿も性格も収入も家柄も申し分のない宗一を選んだだけで、心から好きになったわけではなかった。

 一方の宗一もドライで、槇村や島田(佐野晶哉)に「結婚という“ミッション”はとりあえず果たせそうです」「結婚は長男としての“役目”だからな」と話す。ある意味、打算的な安とは相性が良さそうだが、それゆえに恋愛モードにもなりにくいのかもしれない。結婚間近になっても互いの気持ちは高まっていかず、安は本当に幸せになれるのか不安になったようだ。

 娘たちに結婚してほしい美津が説得を試みようとする中、環が安に創作話を求める。近頃、安は昔話をし尽くしてしまったため、自分で作った物語を環に語り聞かせていた。少し考えて、「あるところに、おばあさんと、娘2人と、かわいい女の子が暮らしていました」と話し始める安。そう、一ノ瀬家の物語だ。おばあさんは薙刀で悪者を退治し、姉は山へ芝刈りに。妹は女の子と川へ行き、食いしん坊で働き者な姉のために鮎をとって焼く……。そうやって話しているうちに、安は気づいたのだった。

「私がこの家の奥様になる」

 家事をしたり、環を育てたり、この家でも子どもの頃から夢だった「奥様」の役目は果たせる。その上で、大好きな家族と一緒に暮らし続ける。それこそが理想であり、幸せであることに気づいた安。そこにタイミング悪く槇村がやってきて、再び彼女に求婚するが、あっさり玉砕してしまった。宗一との結婚話もこのまま破談へと向かうのだろうか。

 問題は芝刈りにいく「旦那様」の役割を担っているりんが就職できるのかということ。帝都医大病院は梅岡看護婦養成所からの実習生受け入れを打ち切り、それに伴ってりんたちを卒業後に病院で勤務させる話も立ち消えた。バーンズ(エマ・ハワード)が捨松(多部未華子)に会いに行ったのは、見習い生たちの働き口を斡旋してもらうためなのかもしれない。一ノ瀬家の娘であるりんと安の将来がもうすぐ決まろうとしている。

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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