穂志もえか、『SHOGUN 将軍』を経て掴んだ“窮屈さからの解放” 「次がどうなるかわからない」

穂志もえかが語る“窮屈さからの解放”

 『SHOGUN 将軍』で世界的に大きな注目を集めた穂志もえかが、賀来賢人プロデュースのホラー映画『Never After Dark/ネバーアフターダーク』で主演を務めた。第33回サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)2026のミッドナイター部門で観客賞を受賞した本作で穂志が演じたのは、ある事件により霊となった姉・美玖と共に、全国の怪事件を解決して回る霊媒師の愛里。独自のクリエイティビティが混ざり合った本作の舞台裏から、ハリウッド進出を経て掴んだ“窮屈さからの解放”、そして作品選びの哲学まで、国境を軽やかに越えていくその思考に迫った。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「いろんな国を越えて楽しんでもらえたら嬉しい」

――SXSWでの観客賞受賞、おめでとうございます。現地での反響を肌で感じていかがでしたか?

穂志もえか(以下、穂志):映画祭自体が音楽やテックの要素もあるフェスのようなお祭りで、いろんな分野に興味がある人たちが街に集まっている雰囲気がまず面白かったです。映画館の前には、ネットでチケットを取れなかった人たちが当日券を求めて長蛇の列を作っていて、ものすごい盛り上がりを感じました。海外の上映って、日本とは全然違う思わぬところで笑いが起きたりするので、それを客観的に見られたのも楽しかったです。ただ、現地の皆さんはリアクションがすごく上手なイメージもあったので、本当に作品が届いているのか、最初は正直よく分からなくて。日本に帰ってきてから「観客賞を獲ったよ」と知って、初めて「あ、本当に楽しんでくれていたんだ!」と喜びが湧いてきました。

――日本公開前に素晴らしい結果になりましたね。

穂志:プロデューサーの賀来さんや、監督のデイヴ(・ボイル)と最初にお会いしたとき、「自分たちが本当に面白いと思う脚本と、面白いと思うキャスト・スタッフで作れば、世界に通用する映画が作れるということを証明したい」とおっしゃっていたんです。世界に打ち出していく映画の第1歩、それも“良すぎる1歩”になったんじゃないかなと思います。彼らは日本やアメリカだけに留まるつもりはないと思うので、これからもっといろんな国を越えて楽しんでもらえたら嬉しいですね。

――作品を拝見しましたが、バックグラウンドにあるシリアスな設定や悲しい物語のなかに、どこか笑える要素や独特な音楽のミックス感が新鮮でした。

穂志:撮影している段階ではどうなるか想像がつかない部分もあったのですが、完成したものを観たらすごく良い編集がされていて、とても観やすいエンタメ作品に仕上がっているなと感じました。「霊媒師」という設定だけだと、少し複雑で伝わりにくい部分があるかもしれないと思ったのですが、日本と西洋の感性が、お互いの良いところを潰し合わずに共存できた作品だと思います。

――今回の現場は、穂志さんにとってもクリエイティビティを発揮しやすい環境だったのでしょうか?

穂志:監督のデイヴの人柄が何より大きかったので。俳優をリスペクトして、その人が持つ魅力をどう引き出すかを一番に考えてくれましたし、全体的にも風通しの良い現場でした。デイヴが「ディスカッションも提案もどんどんしてほしい」というタイプだったこともあり、私も遠慮することなく意見を伝えられましたし、何を聞いてもこちらが腑に落ちるまでじっくり話し合ってくれました。何よりデイヴが私の芝居を面白がってくれたことが嬉しかったです。

――映画が国境を越えて“旅をする”という感覚に、穂志さん自身も共感する部分はありますか?

穂志:はい。映画の面白さって、作品そのものが世界中を旅できること、そして芸術が“普遍言語”であることを改めて知れることだと思うんです。私自身、昔からミニシアターでヨーロッパやアジアの映画を観るのが大好きでした。「世界にでかいことをしてやろう」みたいな野望が自分にあるわけではないけれど、結果として、この映画がいろんな国の人に観てもらえる環境にいられるのは本当に素敵だなと思います。

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