さとうほなみ、“ほな・いこか”を超えた俳優に 『まんぷく』から『ばけばけ』までの躍進劇

ミュージシャンが俳優として成功するケースは多々ある。ここで具体的にその名を挙げずとも、何人かの存在を思い浮かべることができるだろう。けれどもそのほとんどが、男性俳優ではないだろうか。いや、もちろん女性俳優もいる。しかし決して多くはない。そんな中、ほな・いこかの名義で「ゲスの極み乙女」のドラマーとして活躍し続けるいっぽう、映画、ドラマ、舞台にと、話題作への出演が相次ぐさとうほなみは、その最たる存在だといえるだろう。現在、彼女は朝ドラ『ばけばけ』(NHK総合)に出演中である。
放送中の『ばけばけ』は、小泉八雲とその妻のセツをモデルにした物語を描いていくもの。私たちが幼い頃から馴染みのある『雪女』や『耳なし芳一』といった怪奇譚が、どのようにして生まれ、広く語り継がれることになったのか。このドラマが教えてくれることになりそうだ。そのような作品でさとうほなみが演じるのは、天国遊郭の遊女・なみ。本作のヒロイン・トキ(髙石あかり)とも親しい関係にある人物だ。

なみは農家の家に生まれ、八人兄弟の長女として貧しい暮らしを支えてきた。借金を背負った家族を養うため、いまの生活を送ることになったらしい。けれども底抜けに明るい性格の持ち主だ。『ばけばけ』の世界を盛り上げ、朝のお茶の間を活気づけることに貢献している。さとうほなみの演技も軽快で、快活そのものだ。
さとうは本作の公式ガイドブックである『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 ばけばけ Part1』にて、「実際に演じてみて感じたのは、遊女として働きながら、ここから出ようと未来を見据えているなみの強さと美しさでした。演出からの『明るくめげない人でいてほしい』というリクエストも意識して演じています。それでも心が折れそうなときは、同じ町で生きる人たちの温かさがなみにとっての支えです」と語っている。




















