水野美紀の“怪演”は『奪い愛』を加速させる 超展開はついに“タイムリープ”にまで到達

水野美紀の”怪演”は『奪い愛』を加速させる

 松本まりかが主演を務めるドラマ『奪い愛、真夏』(テレビ朝日系)の第1話が、7月18日に放送された。本作は、鈴木おさむが脚本をつとめる『奪い愛』シリーズ最新作。主人公の海野真夏(松本まりか)が人生の新たなスタートを切った矢先、元不倫相手にそっくりな社長・空知時夢(安田顕)と遭遇し、禁断の愛に翻弄されていく、愛と葛藤のドロキュン劇場だ。

 第1話は、松本のセーラー服姿や、回想シーンでの真夏の元恋人・隼人を演じる安田顕(一人二役)の“若づくり”の違和感、そして最後に“タイムリープもの”へと突入する展開など、さまざまな仕掛けがSNSでも大きな話題を呼んだが、最も熱量が上がったのは、真夏の母・三子役として水野美紀が出演したことではないだろうか。水野の出演は初回放送日前日までシークレットにされており、情報解禁後、期待感が一気にヒートアップした。

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 『奪い愛』シリーズは、『奪い愛、冬』(2017年/テレビ朝日系)に始まり、『奪い愛、夏』(2019年/AbemaTV)、『殴り愛、炎』(2021年/テレビ朝日系)そして『奪い愛、高校教師』(2021年/テレビ朝日系)と展開しており、水野は『奪い愛、冬』と『奪い愛、夏』と『奪い愛、高校教師』に出演。各作品で“名怪演”を披露しており、『奪い愛』シリーズには欠かせない存在となっている。

 記憶に最も強烈に残っているのは、『奪い愛、冬』の第3話でのクローゼットから出てくるシーンであろう。夫・森山信(大谷亮平)と池内光(倉科カナ)が抱き合う中、蘭(水野美紀)が「ここにいるよー」とクローゼットから飛び出し、不気味な笑みを浮かべ、「全部見てたよ」と告げるのだ。信の表情は驚きと恐怖で凍りつき、もはやホラーの様相に。

 この水野の“怪演”を機に、他のキャストたちも含めて“常軌を逸した”展開に拍車をかけるような“振り切った”演技合戦が展開され、『奪い愛』シリーズの大きな魅力へと育っていった。

 「あのドラマが怪演ものの走りだった」と語る水野(※1)。それまでは“ドロドロ”という表現しか使われておらず、鈴木による予測不能なストーリーと水野の “怪演”は、“ドロキュン”という新たなジャンルを生み出した。

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 水野は、自身のYoutubeチャンネルで『奪い愛、冬』の出演時の様子を「笑っちゃうぐらい突き抜けさせたくって、思い切っていろいろやってみるのが結構採用されたんですよ。監督も乗ってくださって」と話している(※1)。

 また、シリーズ2作目の『奪い愛、冬』は「あのキャラが市民権を得て、いろいろどんどんやってくださいみたいな空気だった」と(※1)、第1話からトップギアで暴れる水野。その時共演した松本は「現場でどんどんアイデアを思いついてやられてしまうので、受ける側は本番中も笑っちゃって、何度かNGを出しています。スタッフさんも笑いをこらえきれないので、ノールックで(仕事をしています)」とコメントしている(※2)。

 「“怪演”はめちゃくちゃエネルギーを消費して疲れる」と語る水野だが、それでも一切手を抜かずに撮影に臨む。「基本、その場にいる共演者から、スタッフから、全員をビビらせたい、驚かせたい、笑わせたいというモチベーションでやっています」と語っており、現場の熱量を上げようとする水野の演技が、結果的に作品の精度を高めていくことにも寄与している(※3)。

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