『愛の、がっこう。』“無償の愛”は成立するのか? 木村文乃×ラウールの“個人授業”が始まる

『愛の、がっこう。』“個人授業”の始まり

 ホスト、風俗、パパ活。今はいくらでもお金で愛を買える時代だ。でも、だからこそ人は無償の愛を求めてしまうのかもしれない。少なくとも、欲望渦巻く街の喧騒から切り離されたあの屋上にはそれがあるような気がした。『愛の、がっこう』(フジテレビ系)第2話では、愛実(木村文乃)とカヲル(ラウール)の一番苦手なことを教え合う“個人授業”が始まる。

 クラスの生徒・夏希(早坂美海)が入れ込んでいたホストのカヲルに「今後一切夏希に連絡しない」と念書を書かせた愛実。事態は収拾したかに思えたが、なおも反発し続ける夏希に手を焼く愛実を助けたのはカヲルだった。それまでどんな正論にも心を動かされなかった夏希が、カヲルの「いい大学に受かって金持ちになったら俺の愛を買いに来い」という言葉には素直に応じる。

 印象的だったのは、そんな夏希の「無償の愛とお金で買える愛はどちらが尊いのか」という問いだ。愛実が「無償の愛」と即答しなかったことに夏希は意外性を感じるが、彼女を取り巻く環境を考えると無理もないように思える。

 一見すると、愛実の家は絵に描いたような幸せな家庭だ。父・誠司(酒向芳)は大手企業の役員で、母の早苗(筒井真理子)も愛実も何不自由ない生活を送っている。だが、それをいいことに横暴に振る舞う父の顔色を母は伺ってばかり。愛実もまた父には逆らえず、洋二(中島歩)との結婚を進めようとするが、あと一歩踏み切れないのは彼に父と同じ匂いを感じてしまうからではないだろうか。

 「訳知り顔で人を批判してばかりの女性が増えた今、本当に貴重です」と愛実を褒める言葉から、そこはかとなく感じるモラハラ臭。愛実の純粋なところに惹かれたというが、洋二が求めているのは結局、誠司にとっての早苗のように自分に逆らわない都合の良い女性なのだろう。そんな洋二に「あたしは愛実に幸せになってもらいたい」と言いながら、過去に愛実の恋人を寝取った過去がある百々子(田中みな実)。愛実の恋人とは知らなかったというが、どうだろうか。穿った見方かもしれないが、愛実を幸せから遠ざけることで自分の手元に置いておきたいという思惑が透けて見えなくもない。

 そのように無償の愛と言いながら、誰もがどこかで見返りを求めている。それならば、お金で買える愛の方が分かりやすくていい。お金を払えば払った分、愛という対価を確実に得られるホストに夏希がハマってしまうのも頷けるというものだ。

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