Snow Man ラウール、ホスト役で新たな魅力を発揮 『愛の、がっこう。』で体現する光と陰

ラウール、ホスト役で浮かび上がる新たな魅力

 Snow Manのメンバーである岩本照、渡辺翔太、目黒蓮と共演した『簡単なお仕事です。に応募してみた』(日本テレビ系)は、ネットで依頼されるコスパ最強の“簡単なお仕事”を請け負う若者たちを描いた物語で、ラウールは仕事の様子をカメラで記録する映像制作会社の百本(通称モモ)を演じた。彼らは、30万円で空き家の掃除、100万円でシュレッダーにかけてしまった遺書を繋ぎ直すことなどを頼まれるのだが、どこか奇妙な雰囲気に包まれている……。モモは、尋常じゃない髪の毛がついている布団があっても「抜け毛じゃないですか?」と無関心そうで、チンピラに殺されそうな状況で取材のアポを取ろうとするほどメンタルが強い。毎話様々な“こわさ”が交錯する中、最終話まで観てみると、4人の素性が明らかになると同時に、物語自体に視聴者が騙されていたことが分かる。当時15、6歳の初々しさが残るラウールの姿だけでなく、作品としても夢中になってしまうことだろう。

『ハニーレモンソーダ』©︎2021「ハニーレモンソーダ」製作委員会 ©︎村田真優/集英社

 初の単独主演映画『ハニーレモンソーダ』では、弱い自分を変えたいと願う羽花(吉川愛)に手を差し伸べながらも、自分自身も悩みを抱えている学校の人気者・界に。タイトルから感じられるような爽やかさやキザなかっこよさだけでなく、『愛の、がっこう』にも通じる内なる孤独も表現されていた。2024年に公開された『赤羽骨子のボディガード』では、100億円の懸賞金をかけられた骨子(出口夏希)を、彼女にバレないように守ろうとする威吹を演じた。近寄りがたい不良ではあるが、骨子に淡い恋心を抱いていたり、実は同じように彼女を守っていたクラスメイトたちとも次第に打ち解けたり、さらには亡くした親への思いを吐露したり。『ハニーレモンソーダ』の界と同じように、別世界の人間のようだが飾り気ない一面も見え隠れする、唯一無二の存在感を際立たせていた。

 『愛の、がっこう。』では、ラウールがこれまでに演じてきた役柄との共通点を感じさせつつも、新たな魅力が最大限に引き出されている。木村文乃がインタビューで「実際に一緒に長いシーンを撮影してみたら、すごく誠実で、役に対する愛情や努力の積み重ねが本当にしっかりしていて。その丁寧さに、ものすごく感動しました」(※)と答えているように、努力からなる演技も光る。アイドル/モデルもこなせるカリスマ性が秀でていて、なおかつ人一倍努力する彼だからこそ演じることができる役柄だ。

 今後は人を魅了する一面だけでなく、カヲル本人の葛藤もより濃く描かれることになるのではないだろうか。物語はまだ始まったばかり。さらに深まっていくラウールと木村文乃の掛け合いを楽しみにしたい。

参照
https://realsound.jp/movie/2025/06/post-2065054_2.html

『愛の、がっこう。』の画像

木曜劇場『愛の、がっこう。』

井上由美子が完全オリジナルストーリーで描く、すれ違うことすらないはずの2人が出会い、惹かれ合うラブストーリー。高校教師・小川愛実が、文字の読み書きが苦手なホスト・カヲルに秘密の“個人授業”を続ける中で次第に距離を縮めていく。

■放送情報
木曜劇場『愛の、がっこう。』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:木村文乃、ラウール(Snow Man)、田中みな実、中島歩、坂口涼太郎、味方良介、野波麻帆、早坂美海、荒井啓志、別府由来、りょう、筒井真理子、酒向芳、沢村一樹
脚本:井上由美子
演出:西谷弘
プロデュース:栗原彩乃
音楽:菅野祐悟
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/aino_gakkou/
公式X(旧Twitter):https://x.com/aino_gakkou
公式Instagram:https://www.instagram.com/aino_gakkou/
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